今年も何とかツマキチョウに出会えたけど
今年の春も永和の雑木林でツマキチョウに出会いました。
昨年秋から雑木林南側の農道に農水管の埋設工事が何か月も行われていたのです。
工事車両を入れるために草が生えていた農道を拡張し整地して砂利を敷いてしまいました。
去年の春には雑木林の縁に沿ってナノハナがたくさん咲いていたのですが、それも根こそぎ削り取られてしまいました。
今年は免れた何本かのナノハナが咲いているだけです。
その農道の拡張工事で、ツマキチョウの蛹も死滅したのではないかと心配していたのです。
ところが今年も数は例年より少ないのですが、ツマキチョウに出会ったのです。
拡張された農道から離れた場所で蛹になっていたのでしょうか。
ツマキチョウの幼虫はナノハナに産卵されてから幼虫になると、食草のある場所に移動する可能性があります。
ナノハナもそのうち枯れてしまうからです。
というのは自宅のプランターで育てていたカラスビシャクに芋虫がたくさんつきました。
ほとんど葉を食べ尽くされました。
数日後にはその幼虫たちはいなくなりました。
餌を求めて移動していったようなのです。
考えてみれば当たり前の行動だと思います。
「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)には「分布はほぼ全国。食草はタネツケバナ、イヌガラシ、ハタザオ、ミヤマハタザオ(アブラナ科)およびショカツサイ、セイヨウカラシナ、コマツナなどの外来アブラナ植物。生育環境は主に平地~低山地の林縁部や川原、農地周辺などの草地。近年は都市部の公園や農地、河川沿いでもよく見られる。行動は日中、低い場所を翅を小刻みに動かしながら直線的に飛翔する。タンポポ類、ムラサキケマンなど、各種の花を訪れる。かっては減少傾向にあったが、近年はショカツサイなどの外来植物を食草とすることで、都市部でも見られるようになっている。」と記されています。
永和周辺の田んぼの畔にはタネツケバナやイヌガラシがたくさん咲いています。
これらを食草にすれば、生き延びて子孫をつなげることも可能かもしれませんね。
ツマキチョウは全国的に分布し増加傾向にあるようですが、蟹江周辺では永和の雑木林でしか見かけていません。
ダイコンやナノハナがたくさん咲いている場所で見かけるのはモンシロチョウやモンキチョウだけです。
やっぱり来年も見られるかどうか心配してしまいます。
観察していると春先に見かけるのはオスが多く、メスの発生は少し遅れるのではないかと思っていたのですが、数は少ないもののメスも見かけました。
早めに発生するメスもいるようです。
よく観察したいと思っています。
(シロチョウ科 ツマキチョウ属)
カモ撮りこうちゃん