シロバナタンポポで考えたこと
蟹江周辺では3月末になると川の土手にタンポポが咲き始めます。
黄色いニホンタンポポの次に、少し遅れてシロバナタンポポが咲き出します。
シロバナタンポポは一定期間咲くと、その後見られなくなります。
黄色いニホンタンポポにはカントウタンポポ、カンサイタンポポ、ヒロハタタンポポやエゾタンポポがあるようですが、私の学力ではまだ同定できないでいます。
シロバナタンポポは目立つのでタンポポの色々な性質を知るのに好都合です。
例えば花が咲く期間は短く4月終わりには見られなくなります。
東北では5月の連休頃に見かけて2周間も経たずに見られなくなりました。
シロバナタンポポは土手のある範囲にだけ散在して咲きます。
この理由はニホンタンポポは他家受粉で、種がセイヨウタンポポに比べて重いので、株周辺にしか種が広がらないからです。
繁殖力が弱いのです。
2021.4.12付のblogには、タンポポの花が開いていく順序方法について書きました。
花はデジタル的に一つずつ順番に開いていって、最後大きなタンポポが咲くようだと記しました。
どのタンポポも同じですが、花が咲き受粉して種ができ始めて綿帽子になる頃に、茎が長くなっていきます。
花が咲く時期は短いのに伸びるのです。
とても不思議です。
「花の観察学入門 葉から花の進化を探る」(岡崎恵視他 培風館)には、植物は光周性といって光を感じる性質があると記されていました。
その感受性によって茎の伸長、種子の発芽などが起こると考えられるのです。
長日と短日植物でも光の長さの違いが、花芽や生長点での化学変化が起こる時間が変化して、その結果ホルモン量が変化して植物の花芽の形成や茎の伸長を引き起こしていくと書かれていました。
太陽高度の変化による日照時間の変化が植物の生長に大きな影響を与えているようです。
これは動物でも同じで、北帰行するカモたちは太陽高度による日照時間の変化を感じ取って帰っていくように思われます。
気温の温暖差は二次的刺激だと思われます。
シロバナタンポポの種ができると、その刺激を受けて茎を伸ばす生長ホルモンが出て、茎が伸びていきます。
綿帽子になる頃そのホルモンが停止して伸長をやめるのではないか思われるのです。
「種ができ始める」→「茎を伸長させるホルモンが出る」→「綿帽子になるとホルモンが停止する」という刺激と反応のデジタル式の連鎖によって、花が咲き綿帽子を空に飛ばす生態を見せているのではないかと思われるのです。
とても機械的でデジタル的なプログラムによって、シロバナタンポポは春に芽を出し成長し、花を咲かせて種を作り、種をばらまく生長過程を見せているように考えられます。
情緒や風情がない話になってしまいました。
悪しからず了承してくださいね。
ほんとかなー。
(キク科 タンポポ属)
カモ撮りこうちゃん