スイレンの気孔は表だけにあるけど
高瀬のハス田のスイレンのいろいろ
動植物の写真を撮っていると、いつも見慣れているものは、なかなか撮る気が起こりません。
鳥ならスズメやカラスなどです。
どこでも見かけるのでいつでも撮れると思い込んでいるからでしょうか。
植物だとハコベ、ナズナ、オオイヌノフグリなども撮らないように思います。
撮った写真でぼけているものは消去し、そうでないものはハードディスクに保存しています。
また編集した写真はその名前のカテゴリーに入れておきます。
カラスやスズメは極力撮るように意識しないと写真が増えません。
HPでそれらの動植物について書こうとすると、カテゴリーすら見当たらないことがあります。
今回扱おうとしたスイレンもその1つです。
スイレンは山形市高瀬の紅花トンネル近くのハス田でも、愛西市の船頭平公園の池でも見かけました。
撮った記憶があるものの名前のカテゴリーがなかったのです。
編集しないまま保存していたようです。
そうなると大変です。
撮った日付ごとにハードディスクに入っているフォルダを1個1個開いて、スイレンを探すことになります。
これまで撮った写真数は100万枚近くになると思われます。
それでも高瀬で撮った写真は探すことができました。
スイレンといえばすぐ気孔を思い浮かべます。
中学校の理科で「植物の気孔は葉の裏にある」と学んだのです。
気孔は光合成のために二酸化炭素と酸素の出入り口であり、蒸散作用する場所です。
蒸散させることで木でない植物は立っていられるのです。
あるときに葉の裏が水に浸っているスイレンも同じように裏に気孔があり、水中で二酸化炭素と酸素の出入りをしているのか疑問が湧きました。
ツバキの表面はキチン質で覆われているので、裏に気孔があるに違いないと思われます。
そんな疑問が湧いていたら、「ふしぎの植物学」(田中修 中公新書)に気孔の面白い資料が載っていました。
気孔の葉の表裏の数です。
「インゲンマメ表40裏281、ヒマワリ表101裏218、キャベツ表141裏227、トウモロコシ表67裏109、コムギ表43裏40、スイレン表460裏0、カンナ表0裏25、アオキ表0裏145、カシの一種表0裏1192、リンゴ表0裏400、サクラ表0裏249、モモ表0裏225」(他は省略)となっています。
植物の多くは表と裏に気孔があるようです。
偏っているのはスイレンと照葉樹林のテカテカ光る葉の木とバラ科の果樹です。それでもスイレンは表に気孔があるようです。
認識を深めていく順序として、「これもあるあれもある」と学習するのは下手な学習方法です。
「気孔は裏にある」と学習しておいて、その例外を探しながら認識を網の目になるように深めることが合理的な方法でしょう。
当時先生はそんな意図で教えてくれていたのでしょうか。
残念ながらやっぱりそうとは思えませんでした。
(スイレン科 スイレン属)
カモ撮りこうちゃん