カモやサギたちは多様な採餌方法をしている
草食性のカモたちを観察していると、食べ物の在り方に合わせた色々な採餌方法しています。
当たり前といえば当たり前のことですが。
コガモは本では水面採餌すると書かれていますが、確かに水面を泳ぎ回って流れてくる植物や水草を通っている場合もあります。
実際には土手や田んぼで単子葉植物の種などを採っていたり、干潮になった泥や砂地付近の水辺で嘴を突っ込んで藻の仲間を採っている行動などが見られます。
植物のある状態に合わせて採餌方法を変えているようです。
オナガガモでは水を張った田んぼの稲刈り後の根っこを食べるために、頭を水中に突っ込んで体がタケノコのようになって採っています。
オナガガモの群れがそうしていると、とても面白い光景になります。
愛知県設楽町の寒狭川にオシドリの写真を撮りに行ったとき、大量のドングリが入った袋が置かれていました。
オシドリやコガモが来る名所ですが、餌付け用に川に撒いているようです。
カモたちはドングリが大好きだと言われています。
その時はオナガガモのようにドングリを採るために頭を突っ込んで、水面上はタケノコ状態になっていると思われます。
またカモと違ってコサギやダイサギでも、じっと水面を見つめて、咄嗟に首を突っ込んで魚を捕らえるのが普通の光景だと思っていましたが、藻や水草が多いところでは脚を動かして魚を追い立て出てきたところを捕らえる狩りをしています。
コサギでもダイサギでも同じ行動をします。
これも採餌するための工夫ですね。
草食性のカモたちや肉食性のサギなどを見ると、エサを捕るためのいくつかの技のバリエーションを持っていることが分かります。
それを環境への適応力というのかどうか分かりませんが、「餌という目標物に対して、たくさんの方法の中から最善の方法を選択する能力がある」ということを示しています。
これらは生得的行動の中に入っているのか、後天的な学習行動なのか、とても面白い問題を含んでいるように思ってしまいます。
カモやサギたちは私たちが考えているよりも、柔軟な生き方をしていることは間違いないようです。
(カモ目 カモ科)(ペリカン目 サギ科)
カモ撮りこうちゃん