ホウネンエビを何十年かぶりに見かけた

自宅近くの神社脇の小さい用水路に、5月の終わりにメダカ(実はカダヤシだった)を捕りに出かけました。

日光川水系の水路にはメダカを殆ど見かけないのに、蟹江川水系のこの水路には群れている様子を車から見ていたのです。

田植え前なので水があって簡単に掬うことができました。

捕った魚をポリバケツに入れてよく見ると、中にエビのような生き物が1匹泳いでいたのです。

見た瞬間にホウエンエビだと直感しました。

ホウネンエビがいることに吃驚して、移動しながら用水路を掬ってみたら、別にもう1匹のホウネンエビが捕れました。

数日後にホウネンエビを捕るためにまた用水路に出かけました。

その時も2匹捕れました。

それをプラスチック容器に入れて観察すると、ホウネンエビは鰓脚を頻繁に動かしながら逆さまになって一か所にじっとしていました。

棒で突っつくと瞬時に素早く移動してしまいます。

思った以上に素早く行動できるようなのです。

翌日に容器を見たら、2匹共いなくなってしまっていました。

飛び跳ねた気配はないのでネコに捕られたのでしょう。

ホウネンエビの概略は「ミジンコと同じ鰓脚を持つ甲殻類である。エビのような手足があるが体を支える足を持たず、鰓を動かして逆さになったまま留まり移動する。その鰓を動かして水流を起し、植物プランクトン等を体に沿って口まで運び餌を捕る。敵に襲われると体をひねって水中を移動し素早く行動する。交尾して保育嚢に入れられている卵はその後産卵されて土中に卵のままで越冬する。アメリカザリガニのように稲などの茎を切り取ってしまうなどの害を与えることはなく、無害な動物である。」となっています。

ウィキペディアでは「卵はすぐ孵化することはなく、土中で卵の状態のまま翌年春の孵化に好都合の環境になるまで休眠し、秋冬季の乾燥と低温に耐える。この卵はそのような悪条件下でも長期生存が可能であり、このような特徴を『クリプトピオシス』とよぶ。~中略~ 魚類の生息しない、時折干上がるような浅い池や一時的な水たまりに生息する。中には数年に一度しか雨の降らない場所でみられる種もあり、有名な生息場所として、オーストラリアにあるウルル(エアーズロック)頂部の窪みで、水たまりができて、干上がるまでの間に、孵化から産卵まで済ませてしまうものが挙げられる。」と記されています。

卵は寒暖差、乾燥にも耐えられるようで、風に乗って色々なところに運ばれていくのでしょう。

環境への耐性の凄さはヒドラと同じだなあと思ってしまいました。

(無甲目 ホウネンエビ科 ホウネンエビ属)

カモ撮りこうちゃん