ニュウナイスズメの行動から考えたこと

蟹江周辺では普通のスズメは一年中見かけます。

数も一時は1/10に減ったようですが盛り返してきています。

幼い頃の数と違いがないようです。

ニュウナイスズメはずーっと見たことがありませんでした。

数年前に海津市南濃町の早瀬地区の樹木でニュウナイスズメを初めて見かけました。

毎年1月過ぎにやってきて3月には北に帰っていきます。

北海道の平地や中部地方以北の山地や麓で夏を過ごし、冬になると越冬のためにやってくるようです。

見かける樹木周辺は大きい2本の用水路が並行して走り、周辺は水田で雑木林が点在する農村風景そのものです。

用水路の土手にブッシュやヨシ原が並行して走り、冬にはスズメ、カシラダカやオオジュリン、時にはベニマシコなどを見かけます。

スズメは一年中群れで生活している場所です。

この周辺ではスズメの群れはいたるところで見かけますが、ニュウナイスズメは私が見かけた樹木とその周辺だけでしか見かけません。

なぜ同じ場所の同じ樹木に毎年来るのかとても不思議です。

大体は樹木の高い枝に集団でとまっています。

スズメの仲間なので、田んぼや畑に降りて採餌しているのではないかと観察しているのですが、今のところ確認していません。

高い樹木にとまっていながら、枝のところを啄んでいるものが何羽もいます。

時には逆さまになりながら啄んでいます。

枝につく何かを啄んでいるのです。

採餌の仕方から、枝先の昆虫やカイガラムシなどを食べているのでないかと思われます。

採餌の状況を見ると柔軟で適応的な行動のように見えます。

他でも述べたように越冬するカモは毎年同じ場所にやって来ます。

同様にニュウナイスズメも同じ場所に来る戦略を採っているようです。

何世代か前のニュウナイスズメがこの場所を越冬地に選んでから、継続的にやってきていると思われます。

こうした越冬のためにやってくる行動をふつうは生得的行動といっています。

でも行動のうち、採餌の仕方を見ると具体的な環境の中で適応的で柔軟な行動を採っています。

固定的なリジットな行動ではありません。

越冬にやってくる場所は、特定の決まった場所で変わりがありません。

北からの長い旅の途中には、越冬に最適な場所があるはずなのに、この場所にやって来るのはリジットな行動といえます。

このようにニュウナイスズメは採餌のような具体的な環境には柔軟に対応できるのに、越冬場所の選択のような大局的な判断には融通が利かせられないように思われます。

自然環境や気候変動への未来予測に対する能力に欠けているということでしょうか。

(スズメ目 スズメ科)

カモ撮りこうちゃん

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