トゲウオのハリヨを海津市で見かけた

蟹江に戻ってトンボや鳥の写真撮りに歩き回っています。

木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)を越えて岐阜県まで出かけています。

自宅からは県境までは25分位なので遠いところではありません。

海津市南濃町徳田にはいくつかの沼があり、そこでウチワヤンマなどの写真を撮りました。

近くの津屋川の橋の欄干にハリヨ橋と書かれハリヨの絵が載っていたのを見かけました。

この川にハリヨがいるんだと驚きました。

近くにはハリヨ公園があり、園内の池と他の津屋川につながる池にハリヨがいるようなのです。

それで観察にでかけました。

公園内の湧水池ではハリヨが泳いでいるのを見かけたものの、写真に撮ると水面下なので画像がぼけてしまいます。

なかなかうまく撮れないのです。

ハリヨ公園でハリヨ祭りがあったとき、解説していた指導員によると、大水で津屋川があふれると湧水池まで入ってくるということでした。

私が「そのハリヨが川に逃げてしまわないのですか。」と尋ねると、「逃げても構いません。また入り込むハリヨもいて、新しい遺伝子を得ることができるので、それが良いのです。」と応えてくれました。

トゲウオにはイトヨ属とトミヨ属があり、イトヨとハリヨはイトヨ属、トミヨとイバラトミヨはトミヨ属になっています。

「トゲウオのいる川」(森誠一著 中公新書)には、ハリヨやイトヨの南限は北緯35度となっていること、トゲウオの仲間が氷河期から続く寒冷地で生存してきたことなどが示されています。

ハリヨは岐阜県や滋賀県の琵琶湖付近に生息していて、トゲウオ生息域の南限に位置し、夏期の水温が20度以上にならない湧水池があるので、この地方にだけ生存しているようです。

トミヨについては「福井県以北の日本海側、北陸地方にはトミヨとイバラトミヨが生息している。イバラトミヨは新潟県以北に、トミヨは福井県以北の湧水域を中心に分布している。しかし特にトミヨは、近年福井県と石川県において激減している。」と記されています。

「東北地方には日本海側を中心にイバラトミヨが分布している。山形県の最上川水系の分布域は下流から大きく、庄内地方、新庄市周辺、天童市周辺の三地区に分けることができる。

このうち天童市付近のイバラトミヨは、トゲウオ学の草分け池田嘉平さんの研究によって、他の二地区と形態的に異なっていることが指摘され、特殊型と言われている。」と記されています。

天童市のひょうたん池がある高木地区のイバラトミヨの生息数調査は毎年行われているものの、数が減少していると報道されていました。

私も何度か行ってみましたが、イバラトミヨは直接見られませんでした。

減少の原因は自然環境の汚染だと推測されます。

トゲウオの仲間のイトヨ、ハリヨ、イバラトミヨに出会ったことは幸運だったと思っています。

カモ撮りこうちゃん    

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