蟹江周辺でも見かけたアオツヅラフジ
何年か前の秋に、山形県高瀬の田んぼ脇の山沿いにアカネの実の写真撮りに行きました。
アカネは4枚の輪生の葉を出し、秋には小さい実を沢山つけます。
また茎が四角いのにシソ科ではなくアカネ科アカネ属で、「シソ科の茎は四角い」の規則性(法則)から見ると例外になる植物です。
そこを歩いていてオオアオイトトンボを何匹か見かけました。
そのオオアオイトトンボがとまっていたのがアオツヅラフジだったのです。
最初はヤマブドウかと思ったのですが、実が固まっているのでブドウのような雰囲気ではありません。
葉もブドウではありません。
ノブドウでもないしヤマブドウでもないとすると何だろうと思っていました。
その時はそのまま写真を撮って帰ってきたのです。
その後調べてみるとアオツヅラフジだと分かりましたが、その名前を知っただけで時間が過ぎました。
蟹江に帰って日光川の金網のフェンスでアオツヅラフジを見かけました。
東北ばかりでなく西尾張にも生えていることに吃驚したのです。
東北では山沿いにあって市街地では見たこともありません。
こんな土手のフェンスに生えていたことに驚いたのです。
ウィキペディアには「葉は互生し、形は全縁で卵型あるいは広い卵型ないは心臓型をしており、多くは葉先が丸く浅く3裂することもあり形にはバラエティがある。~中略~ 果実は核果で、秋に6~8㎜の球状の果実が房状に結実し、晩秋のころ、ブドウのように緑色から青く熟して目立つようになるが有毒である。~中略~ 果実の中に直径4㎜ほどの核(種子)が1個入り、形は扁平で丸くカタツムリの殻を思わせる。~中略~昔はつるをオオツヅラフジなどとともに『つづら』の材料にしたり、鳥もちを塗って鴨猟に使ったり、物を縛るのに使われたり、買い物かごや、背負いかごなど多角的な用途がある。またアルカロイドを含むために殺虫剤などにも用いられた。」と記されています。
小さい頃は柳行李(やなぎごうり)を知っていましたが、舌切り雀の童話には「つづら」が出てきました。
その「つづら」の材料がこのアオツヅラフジとオオアオツヅラフジだったのですね。
こんなことから日本全国に分布しているのも分かる気がしました。
種子の形がカタツムリの形とありますが、アンモナイトのように見えてしまいます。
アオツヅラフジの実は冬の鳥たちの餌になるかと思い「野鳥と木の実 ハンドブック」(叶内拓哉 文一総合出版)を調べてみましたが、名前はありませんでした。
アルカロイドの毒性が強くて食さないのかも知れません。
偶然見かけたアオツヅラフジですが、それを介して色々なことが結びついてくることが面白いなぁと思ってしまいました。
(キンポウゲ目 ツヅラフジ科 アオツヅラフジ属) 落葉つる性
カモ撮りこうちゃん