もう会わないだろうなルリボシヤンマ

ブルーのヤンマを初めて見たのは勤めていた天童の職場でした。

9月末の夕方に長い廊下の上を大きいトンボが行ったり来たりしています。

オニヤンマが入り込んだのだろうと思い、ロッカーから箒を持ち出して、飛んでいるトンボにパシッと当てたらストンと廊下に落ちました。

姿を見るとヤンマですが色合いがブルーでとても綺麗です。

初めて見ました。

色が瑠璃色なのでルリイロトンボなのかも知れないと思って、調べてみるとルリボシヤンマだと載っていました。

瑠璃色のトンボがいることは以前から知っていましたが、実際に見るのは初めてでその綺麗さに驚きました。

指で翅を挟んで部屋に戻り、デジタルカメラで何枚か写真を撮りました。

その時にはもう動いていました。

箒の衝撃で一旦落ちたものの生き返ったようです。

写真を撮って部屋の窓から放してやると、すぐに飛んで行きました。

天童の市街地でルリボシヤンマを見かけるのは珍しいことです。

天童郊外の原崎沼や山元沼でも見かけたことはありません。

どこかに移動する途中だったのかもしれません。

ルリボシヤンマについて調べてみると、次のようなことが分かりました。

①大きさや出現時期  6月末から11月頃まで生息する。大きさは7~9㎝ほどで幼虫は4.5~5㎝程

②生息場所      山地の湿地や小規模の池や沼に生息する。秋田県の田沢湖周辺でも観察される

③色の特徴      オスは胸部が黒地に黄緑色、腹部は水色の斑紋が入る。この斑紋の色が名前の由来となっている。

           オオルリボシヤンマと似ているが胸の横の淡色条の形で区別がつく

④食性        水辺近くの林内をゆうゆうと飛び、アカトンボなどを捕らえて食べる。

           平地に産することはなく、標高1000m位の池では、ギンヤンマと共にみられることもある。

水晶山やジャガラモガラなどの池や沼にはいる可能性があるかも知れないと思いました。

また「日本のトンボ」(尾園暁他 文一総合出版)では「分布は東日本から日本海側の中国地方までで、愛知県は分布していない」と記されています。

また胸部の第1条目が曲がっていないこと、尻尾の各節が二本線に見えないことなどから、見かけたヤンマはオオルリボシヤンマではなく、ルリボシヤンマだろうと思われます。

蟹江のトンボ収集家の知人は、まだルリボシヤンマは見たことがないと話していました。

私もこれからの人生で、もうルリボシトンボには会えないだろうなと考えています。

とても残念です。

(ヤンマ科 ルリボシヤンマ属) 

カモ撮りこうちゃん