見えども見えずだったノビタキ

1昨年の秋に愛西市の田んぼで杭にとまっているある野鳥を見かけました。

それまで見かけた記憶はありませんでした。

ジョウビタキと似た雰囲気なので、ヒタキの仲間だろうと推測していました。

フェイスブックに「鳥見」という野鳥の意見交換サークルを見つけて会員になり、その写真を掲載してみたら、ノビタキだと教えてくれました。

今年の10月にも飛島村で刈取り後の田んぼである野鳥を見かけました。

それも鳥見サークルに掲載して名前を尋ねました。

以前のノビタキと雰囲気が違っていると思ったのです。

「ムシクイの仲間かと思うのですが」と書いて掲載すると、即座に「ノビタキです。」と返ってきました。

「ムシクイはウグイスと同じで竹藪や灌木に生息します。」というのです。

野鳥を同定する時、生息環境も検討する必要があることを痛感しました。

その後、永和の刈り取り後の田んぼにノビタキが数羽いるのを見かけました。

まだ刈り取りが終わっていない稲穂(イナホ)の上か、端のヒレタゴボウの枝先にとまっていました。

刈り取って間もない田んぼに降りて採餌していました。

そこが昆虫などの餌が豊富だと知っているようです。

刈取り後時間が経っている田んぼでは見かけていません。

畦道に立ててある杭にもとまります。

そこから田んぼに降りて餌を探して、同じ杭に戻ってきます。

そんな習性があるようです。

また海津市森下の刈取り後の田んぼの端でもノビタキがとまっていました。

割りとよく見かける鳥だと思うようになりました。

何年間も永和、福原輪中、飛島村、海津市の森下などは歩き回ってきたのに、ノビタキがいるとは分かりませんでした。

見えども見えずだったんですね。

よく見ると地味ですが可愛い鳥だと思います。

鳥見サークルにも何枚もノビタキの写真が掲載されていました。

「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と渓谷社)には「夏鳥。平地から山地の草原、牧草地、農耕地、川原など。秋の渡りの時期には、平地にはふつうに見られる。繁殖期以外は1羽で生活する。尾羽を上下に動かしながら、草の穂先や灌木などにとまっては移動し、昆虫類、クモ類などを採食する。渡りの時期にも、農耕地や川原の少し丈の高い草などにとまり、主に地上に降りて採食する。」と記されています。

11月になって見かけなくなったのは、南への移動途中だったのでしょうか。

来年は春の終わりから観察してみようと思っています。

また楽しみが増えたと喜んでいるところです。

(スズメ目 ヒタキ科)

カモ撮りこうちゃん