秋の七草のフジバカマで考えたこと

フジバカマのいろいろ

サワヒヨドリの仲間かな?

以前にも書きましたが、秋の七草は万葉集の山上憶良の歌に由来すると言われています。

「秋の野に咲きたる花を指折り(およびおり)、かき数ふれば七草の花 萩の花、尾花、葛花、撫子の花、また女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、朝顔の花」を言います。

蟹江周辺で見かける野生の七草といえば尾花(ススキ)と葛花(クズ)ぐらいでしょうか。

アレチノヌスビトハギは萩(はぎ)の仲間ですが、憶良が詠んだハギとは全く違います。

落葉低木のミヤギノハギやヤマハギの枝垂れかかる風情を詠んだものと予想されます。

因みに宮城県の県章はミヤギノハギを図案化したと言われています。

東北では時々ナデシコやアサガオ(キキョウといわれる)を見かけていましたが、その後見かけなくなりました。

フジバカマも同じ仲間のサワヒヨドリはよく見かけるものの見かけた記憶があまりありません。

特に見かけなかったのは野生のオミナエシです。

ほぼ絶滅しているのではないかと思われます。

宮城県川崎町、丸森町付近の畑で栽培されているオミナエシを見かけたことがありましたが、生け花の材料として栽培されているようでした。

蟹江周辺では野生のフジバカマは見たことがありません。

園芸種のフジバカマは庭や畑に植えられていて秋に花を咲かせていますが、余り風情を感じられずにいます。

先日愛西市の福原輪中に出かけて長良川の堤防を歩いていたら、フジバカマ風の白い花の植物に出会いました。

この福原輪中は陸のガラパゴス諸島と私が名づけているところで、シロのフジバカマではないかと思われます。

この福原輪中は木曽川と長良川に挟まれて昔の環境がまだ残されているからだろうと思われます。

フジバカマというとアサギマダラと対連合していてすぐ思い出します。

アサギマダラのオスがフジバカマの花の吸蜜をするのは、性フェロモンを作る材料となる特定のアルカロイドを摂取するためです。

最近アサギマダラがフジバカマの花で吸蜜している写真を頻繁に見かけるようになりました。

山形の友人から、山形県の山形市や会津若松市でマーキングされたアサギマダラが台湾で見つけられたと新聞に載っていたと連絡がありました。

「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)のアサギマダラの項で「越冬時期は海岸付近の照葉樹林。春に北方へと移動し、夏には山地の樹林に滞在・発生、頂上へと集まる。秋には南下する。」と記されています。

とても雄大なライフスタイルの中にフジバカマが組み込まれていることに感動してしまいました。

(キク科 フジバカマ属)

カモ撮りこうちゃん