カラスビシャクを食べ尽くしたセスジスズメの幼虫

6月の下旬にムカゴを発芽させたカラスビシャクをプランターに植えました。

プランターは駐車場の端で1日に数時間でも陽が当たるようにと思って置いたのです。

プランターには反対側にムカゴから育ててヤマノイモを植えておきました。

それぞれが育ってムカゴを作りました。

何とか環境に適応したなあと思っていたのです。

数日前にプランターのカラスビシャクを見ると、葉がほとんどなくなっていました。

近づいて見ると、黒っぽい中型の黄色い斑点がある芋虫が5匹ぐらいいて、葉を食べていました。

大きな畑や庭園ならまだしも、住宅地の数本しか育っていないカラスビシャクのプランターを探し出したことに驚きました。

数匹いたので卵から孵化した幼虫だろうと思われます。

調べてみたら幼虫はセスジスズメのようです。

よく成虫が住宅のカラスビシャクを見つけて産卵したものだと感心しました。

幼虫の食草は多様で、特にサトイモの害虫として恐れられています。

ウィキペディアでは「セスジスズメの幼虫は作物の葉を食い荒らす害虫であり、成長スピードが非常に早く、数日で数倍の大きさに生長する。幼虫はヤブガラシ、ノブドウ、ホウセンカ、サトイモ、サツマイモなどの植物の葉を食べる。ほぼ日本全土に生息し、成虫は初夏から秋にかけて発生を繰り返す。」と記されています。

プランターのセスジスズメの幼虫のイモムシはカラスビシャクを食べ尽くして、その1匹は隣のプランターの縁を移動していきました。

翌日には全ての幼虫がいなくなりました。

今年はサツマイモをプランターに植えて、芽が出てきた何株かをプランターで育てています。

庭のそこら中がサツマイモの葉だらけになっています。

そんな方向にセスジスズメの幼虫が移動していったので、今後サツマイモの葉の様子を観察しようと思っています。

葉が完全に食われてしまったカラスビシャクはどうなるのか考えてみました。

カラスビシャクのムカゴは親と同じ遺伝子を持った子孫を作るので、他家受粉との2段構えの戦略です。

セスジスズメの幼虫に葉を食べ尽くされても、ムカゴがあれば再生できますね。

ムカゴはリスクへの対応策でもあるのではないかと考えてしまいました。

永和の雑木林の葉が食い荒らされたヤブマオも、幼虫がサナギになってしまうと、新しい葉が出てきて元通りに近い状態になってきました。

植物もイモムシにやられっぱなしではなく、そんなことも織り込み済みの生存戦略を持っているのではないかと、その生命力の強さに感心してしまいました。(なお成虫写真は、ウィキペディアから引用しました。)

(スズメガ科 コスズメ属)

カモ撮りこうちゃん