ツユクサみたいだけどマルバツユクサかも

5月末から夏にかけて畔にはツユクサを見かけます。

ツユクサは午前中に花を咲かせ午後には萎みます。

その間に他家受粉と自家受粉の2段構えで子孫を残す戦略を採っています。

それについては別に書きました。

永和の沼周辺ではツユクサがたくさん咲いています。

9月を過ぎると同じ仲間のイボクサも可憐な花を咲かせています。

農家にとってイボクサは根絶したい雑草なので頻繁に刈られています。

イボクサも午後になると花が萎んでいます。

永和駅北側の叢でヒャクニチソウに集まる昆虫の写真を撮ろうと近づくと、足下にツユクサの仲間だと思われる小さい花が咲いています。

ツユクサより花が小さい感じです。

午後なので萎んだのかと思ったのですが花を包む苞も小さいのです。

ツユクサの中には環境が悪くて、小さい花を咲かせるものもあるので、育ちが悪いツユクサかと思っていました。

葉っぱを見ると幅が広くて普通のツユクサとは雰囲気が違います。

数年前から見かけていた感じがします。

昨年になって目につくようになりました。

増えてきたからだと思います。

でもその範囲はまだ沼の周辺の一部です。

このツユクサはマルバツユクサではないかと思われます。

ウィキペディアでは「分布は本州の関東以西から琉球列島まで小笠原に見られる。国外ではアジアからアフリカの熱帯に分布する。日本では海岸近い砂質の地に生える。花は7~10月につく。花を包む苞は短い柄があって扇形から洋梨型で立った毛がある。~中略~ 花はツユクサよりやや小柄で青い花弁は長さ4~5㎜ほど。また秋になると地下に閉鎖花を往々生じる。」と述べられています。

また「マルバツユクサ 三河の植物観察」によれば「分布は在来種、関東地方以西、アジア、アフリカ」となっています。

西日本では普通に見られる種でその分布範囲が広く、いつ日本に移入されたかはっきりしないようです。

三河の内陸である幸田町にも群生していることから、蟹江周辺で見かけていなかったのが不思議なくらいです。

見れども見えずだったのでしょうか。

ツユクサは他家受粉と自家受粉の2段構えの子孫を増やす戦略を採っているのに、このマルバツユクサは他にスミレと同じように、地中での閉鎖花による自家受粉戦略も採っているようです。

3段構え戦略を採っているということでしょうか。

アメリカからのバージニアツユクサ(The Journal of Japanese Botany Vol.90 No.2)が北九州辺りに侵入してきたとの報告がされています。

植物世界も日々外来植物に侵入されているようです。

見知ったばかりのマルバツユクサですが、少しずつ学んでいく楽しみが増えたなぁと思っているところです。

(ツユクサ科 ツユクサ属)

カモ撮りこうちゃん