クサガメが少なくなった理由はどんなことか

幼い頃からカメは見かけていました。

それがイシガメだったのかクサガメだったのか分かりません。

種類すら分かっていなかったからです。

最近善太川や用水路で見かけるミシシッピアカミミガメは北米産で移入されたカメです。

昭和30年代に縁日でミドリカメと称して売られていたカメを、川や用水路に捨てた成れの果てだと思われます。

私が見かけていた善太川や大きな用水路にいるのはほとんどがミシシッピアカミミガメです。

そこで「蟹江周辺ではミシシッピアカミミガメだけしかいない」と書きました。

目につくところではこのカメしか見かけなかったからです。

ところが永和の沼周辺と弥富市海屋の小さい用水路でクサガメを見かけました。

まだ生存していたのです。

永和の沼はミシシッピアカミミガメが入り込む前からの沼だと思われます。

また海屋の用水路は善太川と宝川の合流点が挟む地域で、閉じた場所です。

昔からいたクサガメなどは他に移動できない環境とも思われます。

クサガメも実は日本に18世紀に持ちこまれた外来種です。

日本在来種のイシガメを駆逐したり雑種化した可能性があります。

それに1950年代に移入されたミシシッピアカミミガメが1960年代に捨てられ繁殖し出しました。

そのためかイシガメは蟹江周辺では見かけたことがありません。

このようにミシシッピアカミミガメを大量に見かけるとすれば、クサガメとの間に繁殖率に差があると思われます。

国立環境研究所侵入生物によると、ミシシッピアカミミガメは「繁殖期:交尾は春と秋にみられる。産卵は4月から7月にかけてなされる。雄は伸張した爪を雌の前で震わせて求愛する。雌は地面に巣穴を掘り、1度に2~25個の卵形の卵を産出する。孵化までの日数は65~75日程度。産仔数は平均25.9個という報告もある。生態的特性:昼行性で日光浴を好む。雑食性だが他のカメ類の卵を食べる習性があり、在来のカメ類との競合のみならず、卵捕食による影響も及ぼしうる。」と記されています。

またクサガメは「繁殖生態:年1~3回産卵。地面に掘られた巣穴に1度に4~9個の卵が産出される。繁殖期:春と秋に水中で交尾し産卵は6月、7月になされる。孵化した幼体は翌年の春に地上に出現するのが普通。」と記されています。

これらから産卵数や食性からみてミシシッピアカミミガメがクサガメを駆逐していることが予想されます。

時間が経つとますますクサガメはいなくなるでしょうね。

NHKで放映された今森光彦さんの「オーレリアンの庭」を視聴していたら、秋に冬眠のために庭の枯れ葉に潜り込むイシガメが写っていました。

環境が良ければイシガメもまだいるのだなと思ったものです。

(クサガメ カメ目 イシガメ科)(ミシシッピアカミミガメ カメ目 ヌマガメ科)

カモ撮りこうちゃん

    クサガメが少なくなった理由はどんなことか” に対して2件のコメントがあります。

    コメントは受け付けていません。