アブラゼミの交尾をしようとしている場面を見かけた

どの昆虫もそうですが、長い間土中や水中で生活していて、陸上に出てきた束の間の期間が次の子孫を繋ぐ重要な時期なのです。

トンボも1~2年水中生活をして陸上に出てくると、生存期間はせいぜい10日ほどと言われています。

セミの土中の生活は3~7年と言われています。

「『プチペディア』で迫る 昆虫・植物・動物の秘密」では「実際に土の中で7年も過ごすセミは日本におらず、ツクツクボウシで1~2年、アブラゼミで3~4年、クマゼミで4~5年くらいのようです。」と記されています。

セミの一生のうち、そのほとんどは地中生活が中心で、木の汁を吸いながら生き続けているのです。

永和の雑木林では、8月初旬にはアブラゼミが盛んに鳴いています。

他にツクツクボウシも鳴き始めました。

木の幹にニイニイゼミも見かけます。

この時期はこれらのセミにとって、子孫を繋ぐ大事な時期だということでしょう。

「蝉しぐれ」は真夏を想い出させ、俳句の季語として風流を感じさせるものですが、セミにとって鳴き声は重要な意味があるのです。

永和の雑木林を通ると、たくさんのアブラゼミを見かけます。

申し合わせたように幹にとまっているアブラゼミの近くに他のアブラゼミがとまっています。

オスが鳴くとメスが傍にやってきます。

アブラゼミの鳴き声はメスへの存在のアピールとメスを誘うサインなのです。

山形の天童では5月20日過ぎになると、カッコウが渡ってきて盛んに「カッコー、カッコ―」と鳴いていました。

その鳴いているオスのカッコウの傍にメスがやって来るのです。

鳴いているカッコウの傍にひとしきりいましたが、そのうち飛んで行ってしまいました。

メスはオスを気に入らなかったのでしょう。

アブラゼミが2匹とまっている場面で、次に交尾行動に移るのではと待ち構えていてもそうならないことが多いのです。

逆にメスが飛び去る場面を何度も見かけました。

セミにも好き嫌いなど相性があるのではないかと思われます。

枝にとまっていた2匹は、1匹が片方に近づいて乗りかかったのですが、2匹の重さで枝の反対側に回り込んでしまって交尾できずに離れて飛んで行ってしまいました。

交尾するのも大変のようです。

気に入る、気に入らないという感情に似たものがセミにあるのかどうか興味があるところですが、結局はアブラゼミの子孫が繋がっていけば良いはずです。

自然とか神が、気に入る、気に入らないという要素を入れて、結果的にアブラゼミを繋いでいくように戯れで遊んでいるように思ってしまいました。

(カメムシ目 セミ上科)

カモ撮りこうちゃん