夏に見かけたハジロカイツブリ

蟹江周辺ではカイツブリの仲間を3種類見かけます。

カイツブリ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリで共に魚を捕ります。

カイツブリは留鳥で弥富市の三ツ又池公園の大きな池(川と繋がっている)で発砲スチロールを巣にして、何組かのカイツブリのペアが営巣・産卵・育雛(いくすう)をしています。

他のカンムリカイツブリとハジロカイツブリは冬鳥で基本的に冬期間しか見かけません。

でも北海道北部や沿海州で帰らないで夏を過ごすものもいます。

カンムリカイツブリは夏に三ツ又池公園と善太川で見かけました。

羽を傷めて飛べない可能性もありますが、そのうち見かけなくなったので飛翔できなかった訳ではなさそうです。

ハジロカイツブリは日光川と善太川の河口で見かけます。

余り内陸の川では見かけていません。

ハジロカイツブリと似たカイツブリにミミカイツブリがいます。

大きさといい、雰囲気といいとても似ていて、なかなか区別できません。

そんなハイジロカイツブリを7月半ばに日光川の河口で見かけました。

「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と渓谷社)にはハジロカイツブリについて「環境は、主に海岸、河口、湖、湖沼、池、河川などにも入る。越冬地では1羽よりも数羽から数十羽の群れで生活するものが多い。」と記されています。

ミミカイツブリについて「環境は内湾、港、河口、湖沼、池、河川など。1羽で行動していることが多い。他のカイツブリ類の群れに入る。」と記されています。

私の経験ではいつも1羽でいる所しか見かけないので、この記述からミミカイツブリの習性に似ていますが、姿形ではやはりハジロカイツブリだと思われます。

ミミカイツブリに比べてハジロカイツブリは嘴が上に反っています。

またミミカイツブリの嘴の先端が白いのにハジロカイツブリはそうなっていません。

撮った写真ではやはりハジロカイツブリだと思われます。

全体の雰囲気はとても似ているのですが、そんな微妙な違いで区別しているのです。

夏に留まっているハジロカイツブリを見て、1羽ではきっと北帰行できないだろうなと思ってしまいました。

生得的な方位磁石があったとしても故郷に帰る途中の各地域のメルクマールを確認しながら何千キロも移動する労力を考えると、ここに留まっていれば冬期に仲間がまたやって来るので、その方が安全な方法です。

人間的に感情移入すると、1羽でいる心細さを克服しながら冬を待っているのだろうなと思ってしまいました。

(カイツブリ目 カイツブリ科 カンムリカイツブリ属)

カモ撮りこうちゃん