昔は少なかったニワゼキショウだったけど

蟹江周辺の田んぼの畔や農道では、季節ごとに色々な植物(雑草?)が見られます。

それも子供の頃見ていたものとは違うものが多くなっています。

キキョウソウ、マツバラウンラン、ヒレタゴボウなどは昔に見かけなかった植物で、季節の移り変わりに伴って咲いていきます。(これらは別に書く予定)

一見すると昔と同じ風景に見えながら、植物の内実は違ってしまっているのです。

私が小さい頃にアヤメ科の薄赤紫色のニワゼキショウが咲いていました。

それも芝生などで数本ずつ咲いていたものです。

東北の仙台でもいわきでも、芝生や中央分離帯で見かけていました。

ニワゼキショウは日本の自生植物だと思い込んでいました。

蟹江に戻って5月に田んぼの畔や農道を歩くと、たくさんのニワゼキショウが咲き出します。

そこら中に咲くのです。

昔のように芝生に少しずつ咲く風情ではなく、畦や農道の真ん中にも群生して咲いています。

昔は薄赤紫色だけだったのに、今では白っぽい花をつけたものも咲いています。

この辺りだけかと思っていました。

でも三河の知立のカキツバタを見に出かけたときも駐車場周辺でたくさん見かけました。

どうも県内のどこにでも咲いているようです。

昔からの植物なら、生態系である位置を占めているはずで、これほど爆発的に増えいていることはないと思われます。

「野草・雑草の事典530」「金田初代 金田洋一郎 西東社」には「北アメリカ原産。明治中期に園芸植物として導入された帰化植物です。平たい茎が根元から群がって立ち、茎の先に星形に花を開きます。朝開いて夕方閉じる一日花ですが、次々に咲き、球形の実は熟すと下を向きます。」と記されています。

帰化植物だったのです。

帰化してから爆発的に広がるには植物だから何十年もかかると思われます。

今がその時期だとすると100年くらいかかっていることになります。

今ではニワゼキショウは日本の植物の位置を占めていて「日本の野草」(山と渓谷社)にも掲載されています。

最近白いニワゼキショウが見られると書きましたが、どの植物にも見られる脱色型だと思われます。

ところが宮城県村田町近くの叢で、青色のニワゼキショウを見かけました。

品種改良したものが野生化したものと思われます。

ニワゼキショウという名前から、日本庭園の隅に咲いていると風情を感じさせる存在の植物が帰化植物だったのを知って、とても吃驚(びっくり)してしまいました。

(アヤメ科 ニワゼキショウ属)

カモ撮りこうちゃん