羽の中でヒナを守って育てるカイツブリ
ここ何日も弥富市三ツ又池公園に通っています。
広い池ではカイツブリが営巣・育雛しています。
隣のハス池ではオオヨシキリが鳴いたり、カルガモがヒナを連れて泳いでいる姿を見られるからです。
今年は梅雨が5月半ばから始まり、雨模様の日が続いています。
それでも汚れた発泡スチロールで営巣しているカイツブリは懸命に抱卵していました。
何日も観察していると、1羽のヒナを見かけました。
何度も見ていると親の羽の中から頭を出している別のヒナも見つけました。
傍にいたヒナは大きなあくびをしていました。
微笑ましい光景でした。
数日後出かけてみると、巣のまわりでヒナが泳いでいましたが、危険を感じるとすぐ親の羽の中に入り込みます。
2羽の親は役割分担があるらしく、1羽はヒナたちといつも一緒にいます。
別の親はエサ捕りに出かけます。
魚を捕った親が戻って来くると、羽の中にいたヒナが水上に出てきて、その餌を受け取ります。
すると持ってきた親はまた巣から離れていきます。
ヒナはその親を見守っています。
少し経つとヒナは親の羽の中に首を突っ込んでいました。
でも体の一部は水面上です。
「頭隠して尻隠さず」の状態でした。
別の場面では親が巣に座り込んでいるとき、巣の周りで2羽のヒナが泳いでしました。
ヒナたちは巣に戻ろうとしますが、発砲スチロールの箱の縁が高いのか巣に上がれません。
それでも1羽は上がってすぐ親の羽の中に入り込みました。
もう1羽のヒナも上がろうと試みますがなかなか上がれません。
私が大丈夫かと心配したものの、何度もやっているうちに上がれました。
前のヒナと同じようにすぐに羽の中に入り込みました。
その間、親はまったく知らん顔で助けません。
親には助けるとういう行動を生得的に持っていないのではないかと思われます。
野生動物の厳しい習性なのでしょうね。
親の羽の中は安全でしかもヒナたちの体温低下を防ぐ役割を果たしているのでしょうね。
これまで巣にいる親が水面に出て行くと、ヒナが巣で待っているのだと思い込んでいましたが違っていました。
水上にいる時も親の羽の中に入っていたのです。
巣に戻ったヒナたちは、ときどき羽から顔を出していました。
本当に微笑ましい光景です。
カイツブリの親たちは、こうしてヒナが自立できるまで面倒見るのだなと思いました。
凄いとしか思えませんでした。
(カイツブリ目 カイツブリ科)
カモ撮りこうちゃん