出会いたいと思っていたセンボンヤリ

前からセンボンヤリという植物があるのは、植物図鑑などで知っていました。

センボンヤリというからには槍(やり)のように長くなると想像していたのです。

いつか出会いたいと思っていました。

春の天童の原崎沼の遊歩道を歩いていた時にセンボンヤリを見かけました。

見た目には白い花を咲かせているだけです。

その白い花は清楚な感じで悪くありません。

何日も見ていると心持ち長くなってきたように思ったのですが、それほどではありませんでした。

センボンヤリというと、織田信長がそれまでの槍の長さより、更に柄を長くした槍を足軽に持たせ、横に並んだ集団となって敵に立ち向かう戦法を編み出したことを思い出します。

そんなイメージとセンボンヤリが重なっているのです。

秋口になって宮城県村田町の道路脇の叢で、センボンヤリを見かけました

とても茎が長くて先が少し曲がっていました。

これこそがセンボンヤリの由来だろうと思ったものです。

春のセンボンヤリは普通の長さなのに、秋の茎の長さは随分長くなっているのを考えると、タンポポが花の後に茎を伸ばすのと同じことがセンボンヤリでも起こるのだろうと考えていました。

それでも春から秋まで、同じ茎があり続けられるのか疑問もありました。

ウィキペディアで調べてみると「春型の花茎は高さ10㎝くらいになり、4~6月頃、径1.5㎝の頭花をつける。~中略~ 花の色は白から赤紫で、ムラサキタンポポの別名はこの春花に由来する。秋型の花茎は高さ30~60㎝になって林立し、小さいながら千本槍の様相を見せる。~中略~ 秋型の頭花は自家受粉する閉鎖花で筒状花のみからなる。~中略~ 果実は痩果となり長さ6㎜、冠毛は褐色になり、長さ11㎜になる。」と記されています。

春と秋に花が咲くようです。

春の花で他のセンボンヤリの遺伝子を取り込み、秋には閉鎖花で自家受粉しているのです。

ここでも時期をずらしながら、2段構えの子孫を繋ぐ戦略を採っています。

秋の種はタンポポのように風に乗せて拡散させる方法を採っているようです。

植物って凄いなあとしか考えられません。

(キク科 センボンヤリ属)

カモ撮りこうちゃん