イソシギではなくてクサシギだと思うけれど!
5月に飛島村の田植え前後の田んぼや用水路などでは、南から北に渡っていくシギの仲間を見かけます。
そんな仲間にクサシギとタカブシギがいます。
1年中いる留鳥のイソシギもいます。
この3者はどれも似ていてなかなか区別できません。
学び始めなので明確な区別がついていないものの、クサシギだろうと思って載せておきます。
クサシギとタカブシギの間には羽の模様の違いがあり、区別しやすいのですが、クサシギとイソシギの区別が上手くできません。
似た動物の違いが初め分からなかったのに、時間をかけていく内に分かってきた経験がいくつもあります。
例えばコサギ、アマサギ、チュウサギとダイサギの区別はずーっと分かりませんでしたが、最近その違いが分かるようになってきて、見た瞬間にダイサギだろうとか、コサギだろうとか判断できるようになりました。
人間の経験による知覚や認識能力の成長には、自分ながら凄い能力だと思うようになりました。
飛島村の用水路で黒っぽいシギが餌探しをしていました。
その姿はイソシギに似ていました。
でも嘴を水中に突っ込むとき顔も水中につけているのです。
これまで善太川などで見かけているイソシギは、餌を捕る時にそんな行動はせず、水辺を歩き回って餌探しをします。
水面で餌を狙っている時も顔を突っ込んでいる場面は見たことがありません。
採餌の仕方にも違いがあるようです。
クサシギとイソシギは姿形がとても似ているのに、行動の仕方や習性が違っているのではないかと思われます。
専門家の人なら見た瞬間にこれはイソシギだ、これはクサシギだと判断できるのでしょうね。
早くそうなりたいと思っています。
「シギ・チドリ類ハンドブック」(氏原巨雄 氏原道昭 文一総合出版)で、その形態的な違いは次のようになっています。
クサシギは「①嘴は長めで上嘴先端が微妙に下にカーブして見える ②上面の白斑が小さく、より暗色に見える ③翼下面も暗色 ④白い眉斑は目の位置まで。静止時、初列風切先端は尾端と同じかやや越える」と記されています。
イソシギは「①尾羽は長くて翼端を大きく超える。下面の白色が側胸、肩部まで食い込む。白いアイリングが目立つ。夏羽と冬羽は軸斑の模様が若干異なるが遠目には大差がない」と記されています。
5月半ばを過ぎたら、この用水路のクサシギだと思われるシギは見かけなくなりました。
北に移動したのかも知れませんね。
(チドリ目 シギ科 クサシギ属)
カモ撮りこうちゃん