南方系のチョウ、アオスジアゲハの食樹で驚いたこと!

アオスジアゲハは小さい頃から見かけていました。

飛翔力が強く速くて、子供が捕まえるには難しいチョウの1つです。

その翅の一部のブルーがとても印象的です。

また口吻が短いので、蜜に届きやすいシロツメクサ、ヤブガラシ、ノブドウなどの花に寄ってきます。

このアオスジアゲハは天童では見かけたことがありません。

その理由は、アオスジアゲハはクスノキの葉に産卵するからです。

幼虫はクスノキの葉を食べて成長します。

5月に産卵場面を撮りたくてあちこち探し回りますが、良い写真は撮れません。

しかもクスノキは高木になるので梢近くを飛翔している場合には、特に難しいのです。

クスノキは暖地で育つ木です。

昔は樟脳(しょうのう)を採る原料でした。

私は傍に行くと葉をちぎって必ず匂いを嗅いでみます。

ナフタリンの匂いがします。

そのクスノキは西日本や東日本の東京近辺までしか生育していません。

東北で見かけるのは神社に移植されたもので、その数は限られています。

食樹であるクスノキの生育場所に規定されて、アオスジアゲハの生育場所も決まっています。

そこでアオスジアゲハは南方系のチョウなので、東日本や東北地方には生息していないと考えていました。

ところが日本海側の山形県飛島には普通にアオスジアゲハが見られるというのです。

「虫語の翻訳ことはじめ」(五十嵐敬司 小松写真印刷)には「庄内地方は、冬季の平均気温が内陸地方より少し高い。アオスジアゲハ幼虫の食樹の違いが、分布に関係していることになる。しかし、昭和20年代後半の酒田には、今ほどたくさんのアオスジアゲハは飛んでいなかった。飛島にもタブノキはたくさんあるが、昭和50年代には見られなかった。ところが50年代後半から酒田市内で頻繁に目撃されるようになり、今では酒田でも飛島でもごく普通のチョウになっている。~中略~ 酒田大火のあった昭和51年以後に、酒田市内のあちこちに大々的にタブノキが植樹されたことが関係しているのではないか」と記されています。

飛島に見られる理由は、クスノキの仲間のタブノキが植樹され増えた結果だと思われます。

しかもタブノキはクスノキより寒さに強い木ではないかと考えられます。

増えた理由が酒田大火後の植樹によるとすれば、人間の行為によって、動植物が影響される例になると言って良いのではないかと思われます。

私の考えていたアオスジアゲハの生息域についての考えは、覆されてしまいました。

でもそれは新たなことを知った喜びでもあるのです。

(アゲハチョウ科 アオスジアゲハ属)

カモ撮りこうちゃん