山菜のコゴミも美味しいと思う!
東北の春の山麓を歩くと、ワラビ、ゼンマイやコゴミが芽吹いているのを見かけます。
どれも美しいのですが、東北人ならすぐ美味しそうだと感じてしまうのではないでしょうか。
この感覚は食料としてだけでなく、春を味わう山菜という意味もあるのです。
山菜が食べられる春が来たんだという喜びを実感できるのです。
山菜のうちゼンマイは綿毛を被ってとても美しいのですが、採ってもすぐに食べられません。
干して揉んでまた干すを繰り返して灰汁を抜き、干したゼンマイを水で戻して、味噌汁の具や煮物(煮しめ)の食材として使う場合が多いようです。
素人が簡単に調理して食べられるのは、何といってもワラビとコゴミです。
ワラビは別に書きましたので、今回はコゴミに焦点を当ててみます。
通称コゴミといっているのはシダ植物のクサソテツです。
シダの仲間はうす暗い場所に生えるものが多い中で、コゴミは陽射しが当たる場所に群生していることが多いようです。
芽生えの頃は先が丸まっていて、同じ株からいくつか出るので、それをもぎ取ります。
小さいものから大きいものまでありますが、それを採るのが山菜採りの楽しみです。
まして群生しているコゴミを山奥で偶然見つけて採るときの快感は言葉では言い表せません。
採ってきたコゴミを水洗いし、沸騰させた湯で30秒ほど茹でてから、水に浸してから水切りして、ある長さに切って鰹節を乗せ、ポン酢をかけて酒の肴にして食べたものです。
ワラビのように灰汁抜きの重曹を入れる必要はありません。
なくても灰汁の苦さを感じません。
スーパーで売っているコゴミは立派で、野生で同じものには出会いません。
養殖物ではないかと思われます。
蟹江のスーパーでも秋田県産のコゴミを売っていました。
コゴミの美味しさを知っている人がこの辺りにいるのかと思いながら、眺めてしまいました。
「四季の山野草」(畑山陽一 三興出版)には、「芽出しの若い時、葉の先が渦巻き状にこごまっているので、『こごみ』(屈み)と言われる。葉には栄養を担当する裸葉と胞子をつくる実葉(胞子葉)の二つがあり、コゴミと言って食べているの裸葉の方で、胞子葉はガンソクと呼ばれて生け花に使われている。」と記されています。
料理として「クサソテツの胡麻あえ」「クサソテツの酒粕漬け」が載っており、昔から色々な工夫をしながら食べていた様子を知ることができます。
(コウヤワラビ科 クサソテツ属)
カモ撮りこうちゃん