食草で生息場所が決まるチョウ その2

思っていた以上に、たくさんの種類の植物がチョウの産卵対象になっています。

それらの食草植物の増減によって、チョウの数の変動も起こります。

植物の方も気候や気温などの条件で生息場所が決まっているはずなので、チョウの生息場所もそれに規定されているはずです。

どこにでも生えている植物を食草にするチョウは、どこでも見られるはずですし、特定の場所にしか生えない植物を食草にするチョウは、その特定場所付近でしか見られないはずです。

いくつか紹介します。

   ベニシジミ    →   スイバ、ギシギシ(タデ科)

  ヤマトシジミ   →   カタバミ(カタバミ科)

  ツバメシジミ   →   シロツメクサ、レンゲソウ(マメ科)

  ウラナミシジミ  →   エンドウ、ダイズ、クズ(マメ科)

  ムラサキシジミ  →   アラカシ、イチイガシ、コナラ(ブナ科)

  ギフチョウ    →   カンアオイ、ウスバサイシン(ウマノスズクサ科)

  ヒメギフチョウ  →   ウスバサイシン(ウマノスズクサ科)

ムラサキシジミ以外のシジミチョウの食草植物はほとんどの地域で見られます。

とすればほとんどの地域でこれらのチョウが見られるはずです。

蟹江や天童でもこれらのシジミチョウを見かけました。

ウラナミシジミは寒さに弱いチョウなので東北では多くは見ていません。

ムラサキシジミの食草はカシの仲間なので、関東以西の照葉樹林帯(テカテカ光る葉)に生息しているはずです。

カシは太平洋岸の関東地方まで分布しているので、ムラサキシジミの分布もその辺りまでではないでしょうか。

ギフチョウとヒメギフチョウは、食草は同じウマノスズクサ科で、ギフチョウはカンアオイ、ヒメギフチョウはウスバサイシンと異なっています。

山形県は生息の境界線でルードルフィアライン(ギフチョウ線)と呼んでいます。

ギフチョウの幼虫の中には、ウスバサイシンの葉を食べるものもいるようですが、好き嫌いの順序があると思われます。

その線の南はギフチョウが、北はヒメギフチョウと生存場所を分けています。

その分けているのはこの食草の違いだと思われます。

カモ撮りこうちゃん