カワウの習性 その3

日光川、善太川や宝川の河口付近には、たくさんのカワウが川のコンクリートの護岸の上や、川の水面に突き出ている杭に止まっています。

カワウは高いところが好きらしく、電柱の天辺に止まっているのもよく見かけます。

カワウを見ていて面白いのは、頻繁に羽を広げている姿です。

晴れた日に広げているのは羽を乾かすためだと理解できますが、曇っていても羽を広げてパタパタと動かしています。

最初見かけたときは父親が吸っていたタバコのゴールデンバットの模様を彷彿とさせて、笑ってしまったものです。

なぜカワウは羽を広げるのか、とても不思議でした。

潜って羽が湿るので乾かすとは理解できるのですが、同じように水中に潜るカイツブリ、ミコアイサ、キンクロハジロなどは羽を広げて乾かしません。

どうしてなのでしょうか。

カワウの羽は油脂腺の脂が少なくて、水中に潜っているうちに羽が湿って重くなってしまうようなのです。

だから風に当てて頻繁に羽を乾かさなければなりません。

カワウは長時間潜っています。

だから小雨が降っていても羽を広げているのを見かけます。

習性といえ、面白い習性ですね。

カイツブリは油脂腺の脂が多いのと体を膨らませて泳いでいるのを見かけるので、羽の間に空気を貯めて浮力を増しているではないかと推測しています。

またミコアイサやキンクロハジロは頻繁に羽繕いをします。

羽に油脂をいつも丹念に塗り込んで沈まないようにしているのでしょう。

カワウの羽を広げる習性は、単なる習性というよりはそうする生理学的な必然性があるのだと分かります。

でもそれにしても面白い習性ですね。

(カツオドリ目 ウ科)

カモ撮りこうちゃん