ウワバミソウがミズだったんだ

東北では春になると山に山菜採りに入ります。

対象となる植物がどんなものか、他の地方からの人間にはほとんど分かりません。

方言による地方名だからです。

例えばアイコ、ギンボ、タラッポ、コゴミ、ヒデコやシドケは、正式名が何なのか地方の人さえも分かっていないと思われます。

小さい時から大人と山に入り山菜料理を食べながら、実物を学んでいくだけだからだと思われます。

そんな山菜の中にミズがあります。

4月下旬に東根の水晶山(667m)の山道を登っていくと軽トラックが停まっており、男性が山菜を採っていました。

先にある六角堂まで行って戻ってくると、男性はトラックの傍に座り込んで、山菜の仕分けをしていました。

私が「何を採ったのですか。」と尋ねると、「フキノトウとミズ(シズ)を採った。」と応えてくれました。

私はミズをシズだと聞き間違えました。

もともと実物を知らないので、私にはミズもシズも区別がつきません。

見たミズがどんなものだったかも全く記憶がないのです。

翌年の春に山道を歩いて行くと、薄暗い山道の脇で、葉の間に見える茎に小さな黄色い花が集まって、いくつも咲いている植物を見かけました。

同じ葉の植物が秋になると、茎の葉の出るところに赤紫の瘤をいくつもつけているのを見つけました。

ヤマノイモのムカゴとは違い、茎と一体になって出っ張っている感じです。

それが強く印象に残りました。

調べてみたらウワバミソウでした。

その謂れはヘビがいそうなじめじめした場所に生えるところから来ているようです。

実はそれがミズだったのです。

長い間ミズとウワバミソウは別の植物だと思っていましたが、秋に天童のスーパーで赤紫色の瘤になっている茎が「ミズ」として売られていたのです。

値段はそう高くはありません。

「これがミズだったんだ。」と初めて気づきました。

ミズは塩ゆでしてから、麺つゆやオロシショウガなどを入れて食べると、酒の肴に絶品のようです。

塩ゆでで良さそうなので灰汁はほとんどないようです。

美味しい山菜と言われているようです。

これを書いているうちに、秋になると行われていたホテルでの懇親会の料理で、このミズを使った料理を食べたことを想い出しました。

季節を味わう一品だったんだなあと想い返しています。

(イラクサ科 ウワバミソウ属)

カモ撮りこうちゃん