ウマは人間のように思考できるのかな?

テレビで競馬中継を見ていて不思議に思うことがあります。

騎手がウマが行きたがっているとか、ウマのペースに合わせたとか、あたかもウマが競り勝とうとする意志があるような表現を見かけることです。

調教師のケアを受け馬場で毎日練習していれば、競り勝ちたい意欲は強くなるようにも思われます。

でもレースで他のウマたちに勝ちたい意志や思考がウマ自身にあるのかどうかは、疑問に感じて仕方ありません。

アメリカでウマの祖先の化石が出土していますが、氷河期に絶滅しその後スペイン人が持ち込んだウマが野生化したのがムスタングです。

フォード社のムスタングはここから来ていますね。

群れのウマは他のウマより早く走ろうとする本能があると聞いたことがあります。

それが本当なら、競馬で競り合って勝ちたい衝動や意志がある可能性はありますね。

ウマには人間のような分節された言葉はありません。

明日とか宇宙とか、抽象的で想像な世界について思考することはできないと思われます。

一見するとウマのしぐさや行動が思考しているように見えたとしてもです。

なぜかというと、クレバーハンスというウマの話を想い出すからです。

その概略は「19世紀の初頭、フォン・オースティンがウマに文字や数の教育を施し、見事に成功をおさめたかに見えた。ウマが答えを表す手段として、足で床を叩いて解答させた。足し算以外の複雑な計算や、今日は何日か、何時かの質問にも答えられるようになった。疑問に思った心理学者がその秘密をつきとめた。ハンスを出題者から遠ざけたり、問題カードをウマだけに見せたりすると解けなかったのである。問題を出していよいよ正答に近づくと、出題者の体や頭が起きるとか、眉がピクリと上がるとか、鼻が動くとか、自分でも気づかない変化が出題者に起こり、ハンスはそれを読み取って床を叩くのをやめていたのである。」というものです。

この話から、ウマが周りから情報を読み取る能力は高いと予想されるものの、ウマ自身の思考ではなく、刺激と反応の連鎖の日常的な学習の結果ではないかと考えられます。

レース中の騎手の細かい動作(刺激)が何を要求しているか(反応)を、ウマが敏感に受け取り、それを表現するのがウマなのではないかと思われます。

騎手の動作に強く反応し過ぎると、騎手は「ウマが行きたがっている」と考えるのではないかと思われます。

ある意味で騎手とウマの交互作用が頻繁に起こっているのでしょう。

宝川の土手下の乗馬クラブの砂地の小さい柵の中にいたウマが、突然激しく地面を蹴って走り出しました。

いつもおとなしく調教のままに振舞っているウマも、感情的な行動をするんだなあと思ってしまいました。

そう考えると、ウマにも意志や思考があるのではないかとも思ってしまいます。

本当かなー。

(ウマ目 ウマ科 ウマ属)

カモ撮りこうちゃん