アズキから学んだことは?
9月末に永和の田んぼの畦道で黄色い花を咲かせている植物を見かけました。
20本ほど植えてあり、葉が3枚でマメ科だと分かりました。
10月20日頃には葉が白くなり穴が空いてボロボロでした。
葉の間に茶色の鞘(さや)がいくつかぶら下がっていました。
その様子から農家の人は豆の収穫を諦めていると直感しました。
豆の1つをとって鞘をひねると、上下の鞘の重なった部分が外れて豆が出てきました。
濃い赤茶色のアズキでした。
豆は8個くらい入っていましたが、小粒で売れるような代物ではありません。
ただこの地方でアズキを作っていることに驚いたのです。
葉がボロボロの原因は病害なのか食害なのか分かりませんが、葉の裏に芋虫がとりついていました。
季節的に芋虫のほとんどは羽化していると思われるので、その生き残りではないかと思われます。
後で調べてみたらフキメイガの幼虫だと思われました。
食害が凄まじく葉が白く、鞘の豆の実入りも少なく、大きさもまちまちでした。
2015年度のアズキの県別の生産高を調べると北海道が5900t(93.4%で1位)で、次に兵庫県534t(0.8%で2位)、京都府417t(0.7%で3位)、山形県は72t(0.1%で21位)、愛知県は27t(0.0%で31位)となっていました。
兵庫や京都周辺では丹波大納言という品種が有名なところです。
アズキといえば赤飯を想い出しますが、実際には北海道や青森では甘納豆を、長野では花豆、関東ではササゲを、千葉では落花生を入れます。
文化の違いと感じさせますね。
赤飯は神に供える神饌(しんせん 飲食物)が始まりではないかと思われます。
天照大御神(アマテラスオオミノカミ 内宮)を祀る際、神饌を扱う豊受大御神(トヨウケノオオカミ 外宮)が、邪気を払う力がある赤米を神饌に利用したことが由来ではないかと思われます。
アズキの鞘を1つ貰ってきて自宅の庭で毎年育てています。
色々なことが分かりました。
1つはマメ科の黄色い花ですが、完全な蝶花ではないことです。
2つ目は育ってくると、ランナーのようになって方々に広がっていきます。
プランターをはみ出してしまいます。
3つ目はフジでも同じですが、実が乾燥していくと、鞘が捻じれて豆を飛ばすことです。
重なり合った鞘が乾燥の程度が違うことを利用して捻じれて弾けるのです。
豆を上手に飛ばす方法に感心してしまいました。
(マメ科 ササゲ族)
カモ撮りこうちゃん