カキ(柿)の花って見たことある?

秋になるとカキ(以下柿)の実を色々なところで見かけます。

山形でも畑や庭にたくさんの柿がなっていました。

収穫しないまま放置されているものが多く、カラスやヒヨドリなどの野鳥が食べにきます。

冬になる前に柿を収穫して、その数個を残す習慣が長い間ありました。

それを木守柿といっています。

干し柿以外に、家庭で柿を利用しなくなって大量に木に残っているので、木守柿の役割はなさそうな現状です。

カキの種類には甘柿と渋柿があります。

その違いは苦みの成分であるタンニンが水溶性かどうかで決まります。

水溶性のものは苦くなり、そうでないものは甘いのです。

岐阜県などで栽培されている富有柿や次郎柿などは甘柿ですが、庄内柿などは平核無(ひらたねなし)柿で渋柿です。

渋柿はアルコールや炭酸ガスで渋みを抜かなければなりません。

柿の生産量は順番に和歌山県、奈良県、福岡県と多く、愛知県と岐阜県は5位、6位、山形県は8位です。

山形県の庄内柿は四角い柿で渋柿の平核無なので、炭酸ガスやアルコールで渋抜きをしなければなりません。

明治時代に庄内で種のない平核無が発見されて広がったと言われています。

生産する柿の種類の違いは、その地域の気候や品種が作られた歴史にもよっています。

柿もその地方の文化そのものだと思われます。

秋に橙色に色づいた柿の実を見かけますが、その実ができるには、花が咲いて雄しべと雌しべが受粉しているはずです。

私は単純に「実(種)ができる前には花が咲く」というルールを考えていますが、柿の花の記憶が全くないのです。

柿が花を咲かせるそのものを考えたことがありませんでした。

皆さんはどうでしょう。

柿の花とはどんなものか、だんだん気になり出していました。

天童の山元沼入り口に柿の木が植えてあります。

5月の末にそこを通りかかると、葉っぱの中に薄い黄色い厚いツボミと花がありました。

葉と同じような感じなので、見ようとしないと気がつきません。

柿の緑のへたの上に薄い黄色い花がついています。

近くで見てみると、開いている花にはアリがいて花の中に入り込んでいました。

遠くからだとツボミと花が咲いているのは分かりませんでした。

私たちが思い描く花のイメージと随分とかけ離れているのです。

農家の人たちは、こんな目立たない花とツボミを見ながら、実をコントロールするように摘果作業をしているのでしょうか。

これまで全く関心がなかった柿のツボミや花を知るようになって、お前たちもちゃんと受粉しているんだねと、ちょっと嬉しい気がしてしまいました。

(カキノキ科 カキノキ属)

カモ撮りこうちゃん