大きな葉に小さな花のエンレイソウ
山形県から宮城県に抜ける関山トンネル脇の入り口に車をおいて歩きだすと、北斜面の暗い場所にエンレイソウがたくさん咲いていました。
大きな3枚の葉が印象的で、その中に小さい花らしいものが咲いています。
他の野草に比べると、その葉の大きさと地味な茶色の花に目が留まりました。
でも華やかな印象は全くなく、大きな葉の植物という印象しかありません。
蟹江に帰って、養老山地の多度峡付近を歩いても、このエンレイソウを今のところ見かけていません。
もっと奥に入れば見られるかも知れません。
そんなことがあって、エンレイソウは東北の山にしかないのではないかと今のところ考えています。
多分そんなことはないと思いますが。
エンレイソウはユリ科だと知って驚きました。
ユリ科といえば、ヤマユリやテッポウユリを連想しますが、そんなイメージとはかけ離れています。
茎の先に3枚の輪生した葉をつけて、その上に茶色の3枚のがく片が花びら(花弁)のように見えます。
本当は花びらでないのです。
ハナミズキやヤマボウシなどと同じようなものですね。
エンレイソウをたびたび見かけていたものの、宮城県の村田の山中で白い花びらをつけたエンレイソウを見かけました。
その周辺では何本か白いエンレイソウがまとまって咲いていました。
ここでも白の花びら(本当はがく片)に出会ったのです。
山歩きをしていると、本来の色とは違った白い花を咲かせる植物を見かけるようになりました。
例えばヒメオドリコソウ、ツリフネソウやホトケノザでも本来の色ではない白い花びらをつけたものがありました。
白色が出るというのは、突然変異で新しい色ができるというメカニズムとは違った仕組みと思われます。
余り存在感がないように見えるこんなエンレイソウですが、花が終わると当然実をつけます。
その実もやっぱりよく見ないと分からない感じのものです。
そんなエンレイソウを見ていると、これまでの人生で影が薄かった自分を見ている気がしてきてしまいました。
本当かなー?
(ユリ科 エンレイソウ属)
カモ撮りこうちゃん