真っ黒になるハラビロトンボ

小学生の頃にトンボに夢中になったきっかけはギンヤンマでしたが、採集するようになったのはハラビロトンボとキイトトンボでした。

特にハラビロトンボはシオカラトンボ(ムギワラトンボはメス)に似ているのに、尻尾の腹がひらべったいので興味を持ったのです。

木箱を材料に展翅台を作って標本作りをしたものです。

それから学生時代、仕事の時代はトンボのことを忘れていました。

でも東根市の水晶山に写真を撮りに出かけた時、入り口の沼付近の叢(くさむら)でハラビロトンボに再会しました。

といってもハラビロトンボとは思わずにただただ驚いたのです。

そのトンボは今まで見たことがない真っ黒なトンボでした。

夢中で写真を撮ったものの、カメラの性能と撮影技術の未熟さゆえに、みなぼやけてしまいました。

撮った写真からハラビロトンボらしいと思いましたが、小学生の頃は黒いものを見ていませんでした。

それで珍種のトンボかもしれないと思ったのです。

蟹江に戻って6月半ばに日光川の土手を歩いていたら、ハラビロトンボを見かけました。

ところがみんなムギワラトンボのような色合いです。

オスのような色合いのトンボは見かけません。

どうしてなのか不思議に思いました。

トンボの発生で、メスのほうが早くてオスが遅いのだろうかと考えました。

これまでの経験で、他のトンボではオスの方がメスより早く発生する感じなのです。

オスが縄張りを作りメスを待ち構えてから、メスが発生する方が合理的です。

それと逆のケースなのかと思ったのです。

何回もその土手に通っているうちに、ムギワラと黒色が混じったハラビロトンボを見かけました。

中には水晶山の入り口で見かけた真っ黒なトンボもいたのです。

その時期シオカラトンボのような色合いのハラビロトンボも見かけました。

その様子から、ハラビロトンボのオスは時間経過と共に色合いが変わっていくのではと思うようになりました。

ハラビロトンボのオスは、羽化した時はメスと同じムギワラ色ですが、時間経過と共に、黒からシオカラトンボのような色合いに変化していくことが分かりました。

トンボのほとんどは、時間経過と共に体色が変化していくのが一般的です。

例えば、アキアカネのように羽化した時は黄色で、秋の繁殖期にはオスは尻尾が赤くなってきますが、ハラビロトンボほどの大きな体色変化をするトンボは見たことがありません。

今ではハラビロトンボのオスとメスの区別を尻尾の先の形の違いで区別するようになりました。

体色でなく交尾器の方がはっきり区別できるからです

でもこんな不思議なトンボがいることにびっくりしてしまいました。

(トンボ科 ハラビロトンボ属)

カモ撮りこうちゃん