オシドリは仲がよさそうに見えたけど
今年も12月に入り三河の設楽町田峯の寒狭川の「オシドリの里」に出かけました。
数年前、中日新聞の記事を見ていたからです。
自宅から115㎞で高速道を使っても片道2時間ほどの行程です。
山沿いの谷川でオシドリはコガモやマガモと一緒に泳いでいました。
渓流脇に青いシートで囲った小屋があり、四角い窓から写真を撮ったり観察できます。
到着したのは11時頃でしたが、もう何人か来ていました。
観察だけの人も多く「オシドリの里」は有名な場所のようでした。
オシドリは11月末~3月まで見られ、多い時は数十羽、当日は十数羽といったところでしょうか。
蟹江周辺では、コガモやマガモは水面採餌や土手で草を食んだりしています。
ここでは谷川なので水面採餌できそうもないし、周囲が崖で餌となる植物も少なそうです。
エサをどこで採るのか疑問に思いました。
カモたちは朝夕に採餌するので、近くに餌場がある筈だと思いながらも、こんな谷川に例年定期的にカモが来るのは、別に安全と餌の確保が可能だからに違いないと考えました。
「オシドリの里」では餌付けしているのです。
オシドリたちは完全な野生ではないのです。
以前、建物の前にドングリの袋を見たことがありました。
なぜドングリの袋がと思いましたが、後でカモが大好きな餌だと知りました。
カモたちは川のある場所に来ると頭を水中に突っ込んでいます。
その川底にドングリが撒かれているのかも知れません。
オシドリは国内や沿海州で繁殖するようです。
山形、鳥取、長崎県では県の鳥になっています。
多くは留鳥だと思われますが、「オシドリの里」に来るオシドリはどこから来るのでしょう。
漂鳥として冬季間だけやって来るのか、沿海州から日本海を渡ってくるのか今のところ分からないままでいます。
オシドリに聞いてみないと分からないことですが。
オシドリ夫婦と言われるように、オシドリは番(つが)いの中が良いと言われています。
本当でしょうか。
実態は、オスは他のメスとも交尾すると言われています。
戦略として他のメスとも交尾し子孫を残す可能性を高めています。
その行動を人間の道徳観で判断すること自体、いかがなものかと思ってしまいます。
マガモの番(つが)いも仲が良いですが、オシドリの何組かのカップルはそれ以上に仲が良く見えました。
昔の人はオシドリのそんな様子を見て仲が良いと考えたのでしょう。
また1羽のメスに2羽のオスが迫ろうとする場面も見かけました。
どの世界もメスをめぐるオスのせめぎ合いがあるようです。
一見、仲良く見えるオシドリの心の中を聞くことができたら、面白いだろうなと考えてしまいました。
(カモ目 カモ科)
カモ撮りこうちゃん