毎年同じマガモが来るってどうして言えるの?

10月31日に2羽のマガモが善太川に来てから、10日ほど経ちました。

久し振りに善太川の土手をカモの写真を撮るために歩きました。

既に10数羽以上のマガモが、善太川の土手に上がって植物を採餌したり、川の水面上を泳いでいました。

ユーラシア大陸から1か月ほどかけて善太川までやってきたのだと思われます。

「カモの仲間のパンダ ミコアイサ」のところで、カモたちは毎年同じ場所で越冬すると書きました。

それが生存戦略として有効だと暗に記しました。

川ごとにカモの種類が違い、毎年同じ種のカモしか見えないことを理由として挙げました。

皆さんの中には、川ごとに種類が違っていても、同じマガモが来ている証拠にはならないと思う人がいるでしょう。

確かに前年のマガモなのか断定できません。

マガモに聞いても答えてくれないでしょうし。

そんなことが言える証拠があるのかと尋ねるでしょうね。

日本に越冬にやって来るカモたちは、同じ川で何か月間もいくつかの種が混じって一緒に生活します。

善太川ではマガモ、カルガモ、ミコアイサ、オカヨシガモ、ヒドリガモなどが見られます。

そんな状況の中で、異種間で交尾してしまうことが起こります。

その結果雑種(あいのこ)が生まれます。

チョウなどでは、近縁のチョウでも交尾に至るオスとメスの行動系列が違っているので、雑種ができにくいのです。

でもカモではこうした制御装置がないらしく、雑種ができるケースが割と多く見られます。

善太川のマガモの中に、マガモとヨシガモの雑種と思われるカモを見つけました。

一昨年、昨年そして今年と3年続けて、雑種の同じカモをマガモの群れで見かけました。

この雑種のカモはマガモと行動を共にしています。

ユーラシア大陸に帰る時も、マガモの群れと一緒に帰ったと思われます。

マガモの群れの中に雑種の同じカモが3年続けて善太川に来ていることから、マガモたちも昨年来たマガモと考えても良いのではないでしょうか。

因みにその雑種のカモは、マガモの中にいるときもありますが、群れの周辺にいることが多いようです。

観察していると、どの種のカモも他の種のカモが傍に来ても排除しません。

でも仲間だとは思っていないようです。

雑種のカモを見るとマガモのようでマガモでない存在です。

存在として独りぼっちなんだなあと思いました。

雑種になったカモにとっての野生の厳しさを感じてしまいました。

(カモ目 カモ科)

カモ撮りこうちゃん

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