ハヤブサが上空を飛んでいっただけなのに
飛島村三福を車で走っていた時に、金魚養殖池跡にいたコサギの群れの上空をハヤブサが通りました。
ハヤブサが来ると、コサギたちは慌てて飛び立ち右往左往しはじめました。
ハトの群れも同じで、猛禽類のオオタカが来ると、いつもの飛び方とは違って狂ったように飛び回ります。
私は飛び方の乱れで、タカが近くにいるかどうかを判断するようになりました。
今回のコサギたちも同じでした。
ハヤブサはコサギの群れに近づいてから、グルーっと一周して群れから離れていきました。
飢えてコサギを狙っていたのではないです。
宝川の堤防の方へ飛んでいきました。
家に帰ってパソコンに取り込んでみると、ハヤブサは幼鳥でした。
幼鳥でもハヤブサの風格は十分です。
食物連鎖の頂点に立っていると実感しました。
写真の中に脚を下げて獲物を捕まえる体勢のものがありました。
飛行機が離着陸の時に車輪を出すような風情です。
観察していると、コサギたちはトビ(ネズミや昆虫を捕る)、ミサゴ(魚を捕る)、ノスリ(ネズミや昆虫を捕る)やチョウゲンボウ(ネズミや昆虫を捕る)などのタカが近くを飛んでも平気です。
ハヤブサやオオタカの時だけなぜ逃げ惑うか、とても不思議です。
ニコ・ティンバーゲンの「動物の行動」(丘直道訳 タイムライフブック)には、鳥のヒナたちが上空を通過するものに屈むのは生得的ですが、タカやハクチョウなどの区別はその後の学習によると述べられています。
コサギたちのタカの仲間の区別は生後の群れ生活での学習によるものと考えられます。
その結果、ハヤブサやオオタカとその他のタカの仲間を瞬時に見分けているのでしょう。
私も最初は、上空を飛んでいるタカがどの種なのか皆目分かりませんでした。
その後は一瞬でどのタカか分かるようになってきました。
コサギたちも同じなんだろうかと考えています。
(ハヤブサ目 ハヤブサ科)
参考文献 動物の行動 ニコ・ティンバーゲン 丘直道訳 タイムライフインターナショナル