笑ってしまったツノハシバミの実
春になると枝から垂れ下がった花をつけるキブシが真っ先に想い出されます。
この花を見ると春が来たと実感します。
春が進んでくると、カバノキの仲間やオニグルミなどの雄花も垂れ下がって、山の木々はそんな仲間でいっぱいになります。
そして初夏には、花の季節が終わって、実ができるようになります。
7月初旬に、山形の紅花で有名な高瀬から紅花トンネルに向かう道路の下を流れる村山高瀬川に架かる「お出会い橋」近くに車を停めて、川に沿った山道を高瀬部落の方に歩きながら写真を撮りました。
谷川に住むカワトンボやエンレイソウ、シシウドやハナイカダなどを探して写真を撮っていると、面白い実をつけた木を発見しました。
その木には小さい男の子のオチンチンを何個か集めた風情の実がなっていたのです。
見た瞬間「オチンチンじゃないか。」と言ってしまいました。
その位、そんな感じがするものだったのです。
早速写真を撮りましたが、いつもながら良い写真は撮れませんでした。
家に帰って調べてみると、ツノハシバミという木でした。
こんなけったいな実をつける木があるんだと思いました。
「日本の樹木」(山と渓谷社 林弥栄 解説)には、「花は3~4月に咲く。雄花序は長さ3~7㎝で、前年枝から垂れ下がる。雌花序は数個の花が頭状に集まり、枝先や雄花序より上部につく。 ~中略~ 堅果は長さ6~8㎝で、先がくちばし状の筒になり、刺毛の密集した総苞に包まれる。実は食べられる。」と記されています。
さすがに説明にはオチンチンとは書けないので、「くちばし状の筒」と書かれていますが、私の見た瞬間の印象はまさしくオチンチンの集まりでした。
こんな実がなる木があるんだなあと思って、笑ってしまいました。
私はカバノキの仲間で、雄花序が垂れ下がっているだけで、種類を同定することは全くできていません。
いつか山に入った時に区別できるようになれば良いなと考えています。
皆さんはツノハシバミの実を見て、どんな印象を持たれるでしょうか。
お聞きしたいものです。
(カバノキ科 ハシバミ属 落葉低木)
参考文献「日本の樹木」(山と渓谷社 林弥栄 解説)