ボラが水面を飛び跳ねる理由は
伊勢湾河口の日光川、善太川、宝川の土手を歩いていると、川の水面上を飛び跳ねる魚を見かけます。
それも小さいものではなく、中くらいから大きいものが多いのです。
なぜ魚が水面上を飛び跳ねるのかとても不思議です。
しかも水面からかなり高く飛び上がるものや、連続的に何回もジャンプしながら移動していくものさえあります。
最初はスズキかと思っていました。
というのは藤前干潟で、ミサゴの写真を撮っている人が、干潮や満潮になると海からスズキが上がって来るので、ミサゴが狙って狩るのだと教えてくれたからです。
川の河口では大きなコイやボラが大量に見られます。
こうした魚たちがいるから、ミサゴ、チュウヒやトビが生きていかれるのでしょう。
何度も土手を歩いているうちに、飛び上がっている魚はボラではないかと思うようになりました。
体つきが少し棒状なのと、鱗が平行線のように並んでいるのが見られたからです。
魚が飛び跳ねる理由について調べてみたら、
①空中にいる餌をとらえる
②捕食者から逃げるため
③障害物を越えるため
④体表について寄生虫を落とすため
と記されていました。
どれに該当するのかと考えてみました。
①と③は該当しないように思います。
考えられるのは②の捕食者から逃げるため ④体表についた寄生虫を落とすため が考えられますが、寄生虫を落とすは余り合点がいきません。
淡水魚のフナやライギョにつくイカリムシなどは皮膚に食い込んでいるからです。
とすれば可能性があるのは、捕食者から逃げるためという可能性が高いように思えます。
日光川では春から夏にかけて、水面を多くのボラの稚魚の群れが泳いでいます。
下に大きなボラもいるようで、カワウが何羽も潜って大きなボラを咥えて上がってくる場面を見かけました。
ミサゴも大きなボラを捕って電柱で食べているのを見かけます。
ボラはもともと淡水と海水が混じり合う汽水域に住む魚です。
しかも習性で水面近くにいることが多い魚です。
そのためにミサゴの餌食になる可能性も高いのでしょう。
これまでの観察から、ボラが水面上を飛び跳ねるのは四六時中ということはありません。
お昼過ぎから夕方くらいまでの時が多いのです。
潮の干満で川の流れが変わり、淡水と海水の塩分濃度が変化するので移動しようとするとか、大型のスズキなどの捕食魚が上がってきて、危険が迫って逃げるために飛び跳ねるのではないかと予想しています。
そう考えると、飛び跳ねる時刻が四六時中でないことが納得できるのです。
ほんとかなー?
(ボラ目 ボラ科)
カモ撮りこうちゃん