コノシメトンボの産卵に遭遇する

台風14号が抜けて快晴になりました。

数日前から雨模様で、稲刈りの終わった田んぼに水溜りができ、アキアカネが産卵するには絶好の機会だと思っていました。

永和駅の沼周辺では、台風が来る前からちらほらコノシメトンボとアキアカネを見かけていたのです。

初めて見かけたのは9月20日でコノシメトンボだったのです。

アキアカネは夏に山で過ごし、秋になって里に下りてくると言われています。

この辺りだと養老山地ではないかと思いますが、コノシメトンボも同様だと思われます。

昨年は10月下旬から11月にかけて、アキアカネが産卵している写真を撮りました。

そろそろその時期ではないかと思っていたのです。

ところが産卵していたのはコノシメトンボでした。

コノシメトンボは同じアカネ属の仲間ですが、4枚の翅の先が黒くなっています。

同じ黒くなっているトンボにノシメトンボもいます。

似ているので区別するのが難しいですが、東北ではほとんどノシメトンボなのに、蟹江周辺では両方がいます。

でも圧倒的にコノシメトンボの方が多く、ときどきノシメトンボを見かけるに過ぎません。

でも両者の違いは、コノシメトンボは産卵する時に、メスが連結や単独での打水産卵なのに、ノシメトンボは水面上で卵をまき散らして、産卵するところが違います。

同じように見えて生活の仕方が違うのですね。

稲刈りが終わって水溜りになっている田んぼに行ったら、コノシメトンボが連結産卵していました。

アカトンボの仲間が沼とか池で産卵するのを今まで見たことはありません。

田んぼの泥がある水溜りの場所、それが産卵する必要条件らしいのです。

アキアカネは水辺の水面に打水産卵しますが、泥にも直接産卵します。

これを打泥産卵といっています。

それに比べると、コノシメトンボは同様に田んぼの水溜りに産卵しますが、水辺でなく真中あたりで産卵していました。

産卵場所が異なるのではないかと思いました。

昨年アキアカネの打水産卵の写真を撮ったときには、コノシメトンボはほとんどおらず、1匹だけがメス単独で打水産卵していました。

それでコノシメトンボはメス単独で産卵すると思い込んでいました。

今回の観察から、それが違っていることが分かりました。

またコノシメトンボとアキアカネで産卵時期がずれている可能性があります。

コノシメトンボの方が早く、アキアカネの方が遅いのではないかということです。

今月から来月にかけてよく観察してみようと考えています。

(トンボ科 アカネ属)