月見団子を皿に乗せたようなイシミカワ

秋になるとタデ科の植物とその花が目立つようになります。

すぐ目につくのはイヌタデですが、この時期には叢(くさむら)で群生しています。

アカマンマといって遊んだ経験がある人も多いのではないでしょうか。

そんなタデ科の中で、私が興味を持っているのは、イシミカワ、ママコノシリヌグイ、アキノウナギツカミです。

この3つと似ているサデグサも最近知りました。

これらは茎の先端に実をつけますが、その茎には下向きのトゲがあり、指で持つととても痛いのです。

今回は、そのうちのイシミカワについて書くことにします。

イシミカワを最初に見たのは、山形市の高瀬にある谷川沿いの土手でした。

つる性で葉が柄のある三角形で、茎には下向きにトゲがあります。

そして一番の特長は、実がまるで月見だんごを積み上げて丸い皿の上に乗せたような風情なのです。

秋が過ぎていくと実が藍色やブルーになってとてもきれいです。

面白いと思って写真を撮りました。

翌年の秋にも写真を撮ろうとその場所に出かけましたが、草苅が行われていて、どこにも見当たりませんでした。

その後、日本海側の鶴岡に出かけた時、山形自動車道の櫛引パーキングエリア内で偶然見かけました。

そこでも写真を撮りました。

それまで天童周辺の奥羽山脈の裾野を週末になると歩き回っていたのですが、全く見かけなかったのです。

蟹江に戻ったら、そこら中でイシミカワを見かけます。

東名阪道のフェンス内でも、ウオーターパークでも、永和駅の雑木林でも、ありきたりと呼べるほど生えています。

とても驚きました。

東北地方と東海地方の地域の違いで、これほどに生息数に差があるのは、気候の違いが関係しているのでしょうか。

とても不思議です。

イシミカワの皿の上の実は、面白いできかたをします。

5つに裂けた萼(がく)が種を包んで肉質化して厚くなります。

時間が経つとその肉質の表面が藍色やブルーになってきます。

それが実になるという訳です。

その積み重なった実の下には、丸い苞葉(ほうよう)で皿の部分になります。

そうしてできたイシミカワの実は、自然が作る月見だんごです。

偶然なのでしょうが、自然の妙としか思えませんでした。

(タデ科 タデ属)

カモ撮りこうちゃん