ナナホシテントウの幼虫は怪獣みたい

4月末になると永和駅近くの雑木林の畦道では、カラスノエンドウが一斉に咲き出します。

咲いている期間は限られていて、半月もすると他の植物に代わっていきます。

同じ場所でも時期をずらして棲み分けているのです。

植物の子孫を残す戦略は大したものですね。

カラスノエンドウの茎の先に、アブラムシが大量にとりついていました。

アブラムシは茎の師管を通る葉腋を吸って増えていきます。

アブラムシは卵胎生の単為生殖をします。

産んだ子は全てメスで、また単為生殖していくので、短期間に爆発的に増えることができます。

カラスノエンドウは養分を横取りされて、生長できずにしなっとなっています。

とりついているアブラムシの数の多さを見ると、萎れるのも仕方がないなと思わざるを得ません。

生えている全てのカラスノエンドウがアブラムシの被害にあっているわけではありません。

ところどころです。

このアブラムシには天敵がいます。

それがテントウムシです。

畦道の叢で屈んでよく見ると、カラスノエンドウに多くのアブラムシが取りついています。

その周りにはナナホシテントウとその幼虫もいました。

幼虫の中には地面を移動しているものもいます。

今年はナナホシテントウが多いなと思っていたのです。

テントウムシの幼虫は小学生の頃、見たことがありました。

社宅に住んでいた時、庭のホウズキの茎に幼虫がいて、茎を移動しているのを覚えていたのです。

一見すると、モスラやガメラのような怪獣を思わせる姿です。

そんな怪獣のような姿とホウズキがつながって印象深く記憶されていました。

アブラムシがカラスノエンドウに取りついている姿を見ると、薄い緑色で丸っこい姿をしています。

私がテントウムシなら、美味しそうに見えるだろうなと感情移入してしまいました。

アブラムシがこれほど大量にいるのですから、食べ放題という感じではないでしょうか。

1週間も過ぎると、テントウムシとその幼虫はほとんど見かけなくなりました。

近くに幼虫がいないか、蛹(さなぎ)がないかと探しましたが見当たりません。

すると少し離れたイラクサ科のヤブマオの葉の上にナナホシテントウといくつかの蛹がありました。

アブラムシがいたカラスノエンドウ付近だけでなく、範囲を広げて蛹になるのは、種を拡散させるためなのだろうかと思ったものです。

(コウチュウ目 テントウムシ科)

カモ撮りこうちゃん