スマートな足長のセイタカシギ
4月になると冬鳥の小鳥、カモ類やオオタカなどがユーラシア大陸や北の地方に帰っていきます。
観察者としてはカモ・ロス、タカ・ロスのような寂しさを経験すると共に、観察する対象がいない端境期の様相を呈してきます。
ところが、今年(2020)になって飛島村の田植え前の水を張った田んぼで何種類かのシギの仲間を見かけました。
この飛島村はラムサール条約の藤前干潟の近くにあります。
藤前干潟は夏鳥のシギ類の北に移動する中継地として、冬鳥のカモ類の越冬地として、重要な場所となっています。
そこから飛んで来たと思われるシギの仲間のうち、セイタカシギ2羽を見かけました。
すべてが小さい作りで、濃いピンクの長い足が印象的でした。
一見するとおもちゃのような感じさえしました。
この夏鳥であるセイタカシギは、東南アジアから樺太や千島列島まで移動するのではないかと思われます。
恐らく藤前干潟付近で、群れの本体が滞在しているのではないかと推測しているのですが、この2羽は4~5日間その田んぼにい続けました。
最後になってそのうち1羽はどこかに行ってしまいました。
番いの仲間割れが行ったのではないかと考えています。
田んぼでは、この時期ドジョウなどはまだいませんが、しきりに長い嘴を泥の中に突き刺しながら、獲物であるミミズを採っていました。
嘴を突っ込んで、その先で泥の中のミミズ類を探し出す感覚は、本当に凄いと思います。
時々はイネの藁くずらしいものを挟んでいる時もありましたが。
弥富市にある愛知県弥富野鳥園のシンボルマークには、セイタカシギの図柄が載っています。
シンボルマークになる位なので生存数が少ないとか、姿形が印象深いからではないかと思われます。
そんなセイタカシギに出会うことができたのでした。
カモ撮りこうちゃん