春に印象的な花が咲くクロモジ
春になると天童市と東根市の境にある標高700m程の水晶山に、たびたび春の野草、例えばフタリシズカ、フデリンドウ、ヒトリシズカなどの写真撮りに出かけたものです。
東北は常緑樹が少ないので、遠くから見ると枯山水の風情で、葉が落ちた木々だけになっています。
そうした山の中を歩き回っていると、黄色い花がいくつも下向きに咲いていて、その上から何枚かの新緑が立ち上がっている木が目に留まりました。
まだ枯れ木ばかりの中で、その花と新緑がとても新鮮で、春を感じさせるものになっていました。
そばを通りかかり細い枝を折ったら、とても良い匂いがしました。
後で調べたらこれはクロモジで、リナロール、グラニオールという揮発性の成分を発するクスノキ科(落葉低木)の仲間だったのです。
クスノキも樟脳の原料を採るので、クスノキ科には匂いがするものが多いかも知れませんね。
クロモジといえば、すぐ思い出すのはクロモジで作った爪楊枝や菓子箸です。
とても良い匂いと、木の皮の黒と灰色の色合いが印象的です。
最近では、百均で売っている爪楊枝が主流で、余り頻繁には見かけないようになってしまいました。
山形に出かけると、ある友人からクロモジの匂いがする羊羹をいつもお土産に頂いています。
そんな羊羹は頻繁には見かけません。
なぜかそのクロモジ羊羹と友人が連合されてしまって離れがたく記憶されてしまいました。