こんなトンボがいるんだ!コオニヤンマ
トンボの仲間にはトンボ科、ヤンマ科、サナエトンボ科、イトトンボ科を含めて多数の科があります。
そんな科の違いを意識するようになったのはここ10年ほどです。
科によって習性や形態が違っていることが分かってきました。
昔はウチワヤンマとギンヤンマはヤンマなので、同じ仲間だと考えていました。
少年時代の印象ではギンヤンマは日中ほとんどとまることなく飛び続けているのに、ウチワヤンマはよく枝先にとまる程度の違いは認識していました。
でも最近歩き回るようになってギンヤンマもとまることを知りました。
真夏の気温が40度近くになると、変温動物の彼らは草の葉や茎にぶら下がって暑さを避けているようです。
また交尾態の時にもとまります。
そんなことが分かってきました。
ウチワヤンマはサナエトンボ科なので枝先に水平にとまり複眼が離れています。
ヤンマという名前がついていてもヤンマ科ではありません。
そんなサナエトンボ科の仲間で、私にとって変わったトンボに、天童の原崎沼の「網張の里」の叢で出会いました。
コオニヤンマです。
これもヤンマなのにサナエトンボ科です。
初めて見かけたとき叢に首を突っ込んでいて首が取れているのではないかと思いました。
よく見ると複眼部分に突起があり、後で調べるとコオニヤンマと分かりました。
コオニヤンマは頭が小さいこと、足の6本中の後脚の2本がとても長いこと、複眼部分に突起があることがコオニヤンマの特長です。
こんな変わったトンボがいることに驚きました。
それまで黒と黄色の模様のトンボはすべてオニヤンマだと思い込んでいました。
ところがこの黒と黄色の模様を持つトンボは意外と多いのです。
サナエトンボ科のウチワヤンマ、コオニヤンマ、ムカシヤンマ科のムカシヤンマ、ヤマトンボ科のオオヤマトンボなども似た雰囲気のトンボで、はっきりと区別はできません。
「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)には「分布は北海道の一部と本州、四国、九州。丘陵地の周囲に樹林のある河川中~下流域や小川。卵期間10日~3週間程度。幼虫期間2~4年程度(2~4年1世代)。幼虫で越冬する。サナエトンボ科の中で最大の種。オスメスともに体が大きい割に頭部が小さく、後脚が長い。後頭後縁が平たく盛り上がり、1対の三角形状の突起となることも本種の特徴である。」と記されています。
コオニヤンマは海津市の養老山麓の雑木林のある川などでは見かける可能性があります。
いつか見たいものだと思っています。
こんな小さい頭と長い後脚を持つトンボがいるなんて、自然の妙としか言えないなあと驚いたことを覚えています。
(サナエトンボ科 コオニヤンマ属)
カモ撮りこうちゃん