アキアカネとコノシメトンボの連結産卵の意味を考えてみた
トンボを観察していると、産卵方法が種類によって違います。
1つは埋め込み産卵でギンヤンマ、アオモンイトトンボ、アジアイトトンボなどが該当します。
卵を確実に植物の茎に埋め込む方法で、メスの内蔵卵数は多くなくても良いはずです。
もう1つは打水や打泥して産卵する方法でウスバキトンボ、コシアキトンボ、コフキトンボ、アキアカネ、コノシメトンボ、シオカラトンボなどが入ります。
他に空中から卵を放出するナツアカネやサナエトンボの仲間などがあります。
これらはたくさんの卵をばら撒くので内臓卵数は多いはずです。
蟹江を含む西尾張では、ナツアカネを除いて埋め込み産卵と、打水とか打泥産卵する仲間がほとんどです。
特に打水と打泥産卵するトンボのうち、単独産卵しているのはコフキトンボ、コシアキトンボ、シオカラトンボです。
また連結産卵と単独産卵を併用しているのはアキアカネ、コノシメトンボ、ウスバキトンボです。
単独産卵するトンボでも連結産卵している可能性はあるものの、今のところ見かけていません。
ここ数年は永和の沼周辺の田んぼの水溜まりで、アキアカネとコノシメトンボが産卵している様子を写真に撮ってきました。
今年は水溜りがないので産卵の様子が撮れませんでした。
ところが愛西市の福原輪中で道路にできた水溜りで偶然アキアカネ、コノシメトンボが連結産卵していました。
コノシメトンボの単独産卵の様子も撮れました。
連結産卵の様子を見ていて、メスが産卵するとき、尻尾を打水か打泥する瞬間に体内にある卵が一瞬に放出されるのではないかと考えられます。
打水や打泥した刺激が卵を放出する反応を引き起こす訳です。
その時の打水や打泥の強さが卵放出の量の程度などの決め手になるのではないかと思ったのです。
これまで連結しているオスはメスを捉まえているだけの役割りだと思い込んでいました。
観察していると、打水行動はオスがメインとなって尻尾を振り、それがメスに伝達して打水しているようなのです。
産卵の主導権は実はオスが持っているのではと思うようになりました。
オスとメスが繋がったまま尻尾を振ると、オスの頭部を支点にして、メスの尻尾を遠心力で強く水面を叩きつける感じになります。
単独より連結の方が効果的です。
コノシメトンボが単独産卵する様子を見てもそう感じました。
これまで連結するのはオスが自分の子孫を確実にメスに産卵させるためだと思い込んでいました。
でもオスとメスが共同して産卵しているのではないかと思うようになりました。
アキアカネやコノシメトンボが連結するのにも意味があるのだなぁと思うようになりました。
本当かなー。
(トンボ科 アカネ属)
カモ撮りこうちゃん