トンボの共食いはなぜ起こるのか

自宅の狭い庭でベニイトトンボが5年ほど発生しています。

今年は6月中旬に数匹発生し出してから7月下旬までに40匹以上発生しています。

オスは縄張りを作るので目立ちますが、メスは余り見かけません。

それでも交尾態や連結態で産卵している様子を見かけるので、メスは羽化して隣の無住の家の庭にいる可能性があります。

準絶滅危惧種のベニイトトンボは自宅の庭でしか見ていないので、アナカリス(オオカナダモ)を買った時に、茎に埋め込まれた卵から発生したと思われます。

先日庭に出てみると、大ぶりのベニイトトンボが小さいベニイトトンボを咥えていました。

同じ赤なので両方ともベニイトトンボのオスだと思われます。

ベニイトトンボの縄張りは狭いのに、それでも近づくと飛びながら攻撃し合います。

そんな場面を見ていましたが、同じ種のオスを餌にすることに驚きました。

庭には小さなハエやアブやカ(蚊)もいます。食べ物になる昆虫はたくさんいるのに、同じ種のベニイトトンボを狩っていたのです。

私が近づくと咥えたまま飛んで移動しました。

獲物を絶対離さないという雰囲気でした。

同じ種のオスを餌として見るというサインは何なのか、とても気になります。

相手がメスでも同じ行動をするのでしょうか。

シオカラトンボがメスを咥えている場面を見たことがあります。

同じ種のメスを餌として捕えていたのです。

とても印象に残りました。

ベニイトトンボもシオカラトンボも肉食なので、動物を餌にするのは理解できるのですが、同種のシオカラトンボのメスを狩ることが不思議なのです。

日光川や善太川の土手や永和の雑木林の林縁を歩くと、たくさんシオカラトンボがとまっています。

しかもオスとメスが混在しながらとまっています。

なぜ交尾しないのか不思議だったのですが、オスとメス共に成熟するのを待っているのではないかと考えるようになりました。

成熟オスは水辺に行って成熟メスが来るのを待つようになります。

これらのことからメスが成熟しているかどうかをオスが感知できると思われます。

シオカラトンボのオスがメスを狩ったのは、自分の子孫を繋ぐメスのサインよりは、餌としてのサインの方が優勢になったと考えられます。

メスの死が近いか未成熟だったからかも知れません。

ベニイトトンボのオスが小さなオスを狩ったのは、狩られたオスが小さ過ぎたのかも知れません。

同種のオスと見るか、餌として見るかの微妙なサインの違いがあるように思われます。

共食いをどう考えたら良いのかまだ納得できない自分がいるのです。

(ベニイトトンボ イトトンボ科 キイトトンボ属)(シオカラトンボ トンボ科 シオカラトンボ属)

カモ撮りこうちゃん