こちらでもアサマイチモンジを見かけた

愛西市の福原輪中は木曽川と長良川に挟まれています。

昔は木曽川三川は分流しておらず、下流の長島にかけては60にも及ぶ輪中があったといいます。

明治になって欧米の土木工事の手法によって木曽川、長良川、揖斐川に分かれるようになりました。

当たり前ですが、この木曽三川のそれぞれの川の水面の高さは異なります。

そこでスエズ運河のように、木曽川と長良川の間に水面に水門を作って水面の高さを調節して、舟を移動させていました。

そこがいつも私の出かけている船頭平公園なのです。

この福原輪中は木曽川と長良川に挟まれているので、動植物も木曽川の東側と違っているように思われます。

土手下の長良川沿いの叢を歩いていて脇の薮でイチモンジチョウの仲間を見かけました。

山形でも薄暗い感じの樹間で見かけていました。

コミスジ、サカハチチョウ、アサマイチモンジなどの種類がたくさんいて、とても区別できないままでいたのです。

家に帰って調べてみるとアサマイチモンジだと思われました。

珍しい種に含まれています。

イチモジチョウの仲間は習性や生態は詳しく分かりませんが、近くで何匹かが飛翔していました。

「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)のアサマイチモンジの項目には、「食草はスイカズラ、タニウツギなど(スイカズラ)生息環境は林縁、河川 平地~低山地の明るい樹林環境。雑木林や農地の林縁部や低木林のほか、河川堤防の薮でよく見られる。イチモンジチョウよりも明るい環境を好み、一般に山地には見られない。行動は日中低い位置をゆるやかに飛翔することが多く、スイカズラやイボタノキなど各種の花を訪れる。吸水することがあるが、吸水性は強くない。生息状況や保全は里山環境の放棄によって、本種の好む明るい環境が少なくなり、全国的に減少傾向にある。」と記されています。

蟹江周辺ではアサマイチモンジを見かけていないので、やっぱり福原輪中は狭い範囲なのに、木曽川東岸の尾張地方とは違った生き物がいるのかも知れませんね。

これからイチモンジチョウの仲間を少しずつ分かっていけたら良いなと考えています。

(チョウ目 タテハチョウ科 オオイチモンジ属)

カモ撮りこうちゃん