好奇心なのか、攻撃なのかハクセキレイの行動

セキレイには3種類います。

ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイです。

そのうち身近で一番よく見かけるセキレイがハクセキレイです。

運動場、河原や田んぼなどで見かけます。

食性も昆虫やミミズなどの雑食性で、耕運機で畑や田んぼをひっくり返すと、たくさんのハクセキレイが出てきた昆虫などを探しています。

耕運機が引っ掻き回す前にカラス、サギ、ツグミやムクドリが待ち受けていますが、ハクセキレイも同様です。

ハクセキレイには白っぽいものから黒っぽいものまで個体差があり、黒いものがセグロセキレイかと思っていましたがハクセキレイだったのです。

両者を区別するのは、その後眼を通る黒い腺(過眼線)があるかどうかで決められていることが分かりました。

体色ではなかったのです。

ハクセキレイは歩くときは長い尾を振っています。

鳴声もチュッチュッという軽い感じです。

鳴声でハクセキレイがいると分かります。

川を横断する時には波打つような飛び方をします。

ハクセキレイは身近にいるので、車のボンネット内で営巣して産卵・育雛していたというニュースを聞いたことがあります。

そのくらい人の近くにいる鳥なのです。

ある時ハクセキレイが駐車場の車の脇のサイドミラーに止まっていました。

鏡を覗いています。

今度は飛び立って羽ばたきながら、その鏡の相手を蹴り出す行動をしたのです。

また一端降りて、また蹴り出しました。

単なる好奇心から蹴り出しているのでしょうか。

とても面白い行動です。

これまでサイドミラーを蹴り出す行動を何回か見かけました。

これはどんな行動かと疑問に思ったのです。

例えば鏡に映った自分の姿を、自分だと認識できるのはどんな動物でしょう。

「密林から来た養女」(キャシーヘイズ著 法政大学出版会)では、チンパンジーのビッキーは鏡に映るチンパンジーが自分だと認識していたようです。

というのは、背中についたゴミや汚れを鏡に映しながら、そのゴミや汚れを取ろうとしたからです。

ニホンザルについての証拠は持っていませんが、鏡を初めて見たニホンザルではどうなんでしょうね。

鏡を見て自己だと認識できるのは高い能力でなければならないと考えられます。

このハクセキレイは自分の姿が映ったサイドミラーの相手を、自分だとの認識はないのではないかと思われます。

鏡というものの認識もないでしょうし。

こちらが攻撃して蹴り出すと、鏡の相手も同じように蹴り出すのですから、自分という認識がなければ手ごわい相手と認識してしまうのでしょうね。

単なる遊び心の好奇心からか、それとも敵対的な攻撃行動か、なかなか面白い問題を含んでいるように思いました。

(スズメ目 セキレイ科)

カモ撮りこうちゃん