11月半ばにのコセンダングサの花に集まる昆虫たち

コセンダングサの蜜を吸うキタキチョウ

コセンダングサの蜜を吸うキタテハ

ウラナミシジミ

モンキチョウとモンシロチョウ

アブとセイヨウミツバチ

蟹江周辺では11月半ばを過ぎると、花を咲かせる野草の数はとても少なくなってしまいます。

あるとすればシロツメグサ、ホトケノザなどの越年草で、しかも何とか花を咲かせているものだけでしょう。

そんな中で、コセンダングサの黄色い花だけが、畔や叢一面に咲き誇っています。

この花の殆どは花びらがない筒状花です。

時々は白い舌状花をつける白いハナビラのシロノセンダングサも見かけることがありますが、数は圧倒的に少ないです。

ウィキペディアには「北アメリカ原産で、世界の温帯から熱帯にかけて広く分布する。日本では明治時代に確認された帰化植物。牧野富太郎は、京都府南部から滋賀県にかけて普通に見られるとして、センダングサとは区別してコセンダングサという新たな和名を与えている。関東地方以西の河原や荒地などに広く分布する。環境省による外来生物法により、生態系被害防止外来種に指定されていたが、2022年には外されている。」と記されています。

コセンダングサは、晩秋から春にかけて実をつけると、衣服などに取りつくひっつき虫となって、大変な被害を与えます。

衣服を通して、その先端の棘が折れて皮膚を突き通すのです。

こうなる時期には、叢の中には入れなくなってしまいます。

この黄色いコセンダングサが、多くの昆虫の蜜源としての役割を果たしているようなのです。

以前からキタキチョウとコセンダングサは親和性が高いと言ってきましたが、この時期には、キタキチョウがコセンダングサの吸蜜している様子を頻繁に見かけます。

このキタキチョウは翅が破損しているものは皆無で、この時期に羽化し発生したものと推定されます。

この他に、どんな昆虫が来ているのか観察してみると、キタテハ、モンシロチョウ、モンキチョウ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、セイヨウミツバチ、アブなどが来ていました。

季節の移ろいと共に、花の咲く種類の植物が減って来る中で、コセンダングサだけは花を咲かせ繁殖域を増やしてきているのです。

毎年その領域が増えてきているのを実感しています。

明治時代に確認された外来植物のコセンダングサが増えてきているのと関連して、その花の蜜を求めてくる昆虫たちの種類や数も増減してきているというわけです。

前述した昆虫以外にも、2年前にはホシホウジャクが福原輪中のコセンダングサの吸蜜している姿を想い出しました。

外来植物のコセンダングサが繁殖することが、昆虫やその他の在来植物へ影響し、動植物の生態に少なからず影響しながら、自然環境が変化してきているのだろうと思っていましました。

(キク科 センダングサ属)

カモ撮りこうちゃん