珍しいホソミイトトンボを森下の神社の境内で見かけた!
夏型のホソミイトトンボ
冬型(または未成熟?)のホソミイトトンボ
草の間を飛ぶホソミイトトンボ
昨年偶然に海津市森下にある廃墟同然の神社の境内で、これまで見たことがないイトトンボを見かけました。
何とか写真を撮って調べてみるとホソミイトトンボでした。
蟹江に戻ってから撮っていたイトトンボの仲間には、アジアイトトンボ、アオモンイトトンボ、クロイトトンボ、セスジイトトンボ、ムスジイトトンボなどがあります。
どれも体色がとても綺麗なものが多く、いつも自然の妙だよなぁと感心してしまいます。
これらに加えて新しくホソミイトトンボを見かけたのです。
これもじっくり見るととても綺麗なイトトンボです。
体色がブルーで眼後紋の白色が繋がってバーベルの形になっています。
こんな形の眼後紋は他のイトトンボにもあるようですが、初めて見ました。
「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)には「生育環境は平地~丘陵地の湿田。透明度の高い水域を好む。生活史は卵期間1~3週間程度、幼虫期間は1~2か月程度(1年1~2世代)。成虫で越冬する。夏型は初夏に羽化して夏に産卵し、越冬型は秋に羽化後、成虫のまま越冬して翌年春に産卵する。形態は眼後紋と後頭状がつながって見える。越冬型は淡褐色の体色のまま冬を越し、春にはオス・メスともに斑紋が青色になる。夏型は小型で緑色みが強い。備考で本種は国内の種では唯一、夏と冬の顕著な季節型がみられる。夏型と冬型の間での交尾、産卵もみられるが、2型が生じるメカニズムは不明である。」と記されています。
その後、また海津市森下の神社の境内にホソミイトトンボの写真を撮りに行きました。
小さいイトトンボで焦点が合わずに四苦八苦していると、草の葉にとまったホソミイトトンボの1匹の体色が薄い茶色だったのです。
9月15日に見かけたのですが、冬型ではないかと思われます。
でも羽化した直後の未成熟の場合には、茶色の体色のものもいるらしいので、断定はできませんが、冬型ではないかと推測しているのです。
ZUKANのホソミイトトンボには「国内で唯一、夏と冬の顕著な季節多型が見られる。夏型と冬型の間での交尾、産卵も見られるが、2型が生じるメカニズムは不明である。夏型は初夏に羽化して夏に産卵し、越冬型は秋に羽化後、成虫のまま越冬して翌年春に産卵する。越冬場所の多くは比較的水辺に近い丘陵の南斜面や日当たりのよいがけ下などで、下草や茂みや切通に垂れ下がった細い木の根に止まって寒さをしのいでいる。この場合、必ず細い植物体の垂直に近い部位に体を密着させるように静止して腹の第5、6節を浅く『く』の字形に曲げている。」と記されています。
この場所以外では見かけていないので、棲息場所がかなり限定されているようです。
こんな初めて出会ったホソミイトトンボですが、その生態の不可思議さを知ると、自然の奥深さを感じない訳にはいかなくなるのです。
そこが面白いのですね!
(イトトンボ科 ホソミイトトンボ属)
カモ撮りこうちゃん