ツルウメモドキの実の成長を観察してみた!

5月15日花が終わって実ができ始める

6~7月頃のツルウメモドキ

9月のツルウメモドキ

12月初旬のツルウメモドキ

1月中旬のツルウメモドキ

何年も前に日光川の河口近くの土手下の木に、橙色の実をつけたツル状の植物を見かけました。

冬の木の葉が落ちてしまった木の幹に絡みついていて、その様子が印象的だったのを覚えています。

それがツルウメモドキです。

多分、その実は鳥のエサになるのだろうと思うのですが、そのまま冬を越している様子を見ることも多いので、余り鳥には好かれていない可能性があります。

他の好きなエサが少なくなってしまった時に、仕方なく食べる存在ではないかと思われます。

鳥たちにも好きな餌と、そうでない餌があります。

鳥たちは好きな餌から食べていって、もしそれがなくなると、次に好きな餌を食べていきます。

それもなくなってくると、生きるために好きでない餌も取るようになります。

そんな餌にはノイバラの実があります。

ノイバラはいつまでも木にあって、いつも残ったままになって春になることが多いようです。

このツルウメモドキも、ノイバラのような存在なのかも知れません。

蟹江新田の土手下で冬に、ツルウメモドキの橙色の実がなっているのを見かけたので、その実がなり始めた頃がどんな状態なのか、来年になったら観察してみようと思って待ち構えていたのです。

5月頃に出かけたら花が咲いた後らしく、小さな青い実がなり始めていました。

その後6~7月にかけて、その青い実がだんだん大きくなっていったのです。

それが11月を過ぎると黄色くなって、その実が割れて橙色の仮種皮に包まれた橙色の種が出てきました。

それまで橙色の仮種皮を遠くから眺めていたのです。

その後、その仮種子に包まれた種は、そこから落ちていくようです。

その仮種皮を触ってみたら水分を含んでいて、硬いと思っていたのに違っていました。

いくつかの仮種皮は、種が地面に落ちて、その萼だけが残っているものもありました。

「日本の樹木」(林弥栄編 山と溪谷社)には「山地に普通に生える。つるは帯褐色または灰褐色で毛はなく、長くのびてほかのものにからみつく。大きいものは直径20センチぐらいになるものがある。~中略~ 蒴果は直径7~8センチの球形で、秋に黄色に熟すと3つに裂け、なかから黄赤色の仮種皮に包まれた種子が現れる。仮種子の色が美しいので生け花などに使われる。用途は庭木、盆栽。分布は北、本、西、九、沖、南千島、朝鮮、中国。」と記されています。

日本ばかりでなく、アジア全体に分布しているようですね。

秋の仮種皮が現れてくる前の様子は、他の木の果実に較べても地味な色合いです。

このツルウメモドキの種は、鳥などに食べてもらって散布することが期待されている筈ですが、余り食べられていないらしいので、どのような方法で広がっていくのか疑問になりました。

(ニシキギ科 ツルウメモドキ属)

カモ撮りこうちゃん