チョウのサトキマダラヒカゲは日本固有種らしい!

クヌギの樹液を吸うサトキマダラヒカゲ

オオスズメバチとの樹液をめぐる攻防

とまったサトキマダラヒカゲ

私たちが身近で見かけるチョウの多くは、花の蜜を吸いに来るチョウが殆どです。

そこで「チョウは花の蜜を吸う」と一般化してしまっていました。

モンシロチョウ、モンキチョウ、アゲハチョウ、キアゲハ、アオスジアゲハやベニシジミなどのシジミチョウなども花に集まってきています。

でもそうでないチョウもいることが分かってきました。

樹液、腐果や獣糞などに集まるチョウたちです。

キタテハ、ヒメアカタテハ、ルリタテハ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、コムラサキ、ウラギンシジミ、クロコノマチョウなどです。

キタテハやヒメアカタテハなどは花にもやって来るので、両刀使いといったところです。

そのうちサトキマダラヒカゲは一昨年と昨年に見かけていたチョウですが、今年になって何度も見かけるようになりました。

クヌギの幹の樹液が出ているところにやってきていました。

集まってくる他のキタテハやルリタテハなどチョウに比べると、ちょこちょこと移動したりする習性があるようです。

「ブナの森を楽しむ」(西口親雄 岩波新書)には「東北の太平洋側、低山里山の雑木林では、下層植生にスズタケかミヤコザサ(ともにササ属)、あるいはアズマネザサ(メダケ属)の群落が見られ、それらを食草とするヒカゲチョウ、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ヤマキマダラヒカゲなどのチョウが出現する。さらに奥山のブナの森に行くと、下層植生はチマキザサ(クマイザサ)からチシマザサ(ネガマリダケ)(ともにササ属)の群落へと変化し、ヒメキマダラヒカゲが出現する。ヒメキマダラヒカゲは、フジミドリシジミとともに、ブナ林を指標とするチョウと言われている。日本のジャノメチョウ科は全部で二十八種産するが、ほとんどの種はススキ類(イネ科)からスゲ類(カヤツリグサ)を食草にしている。つまり草原のチョウで、中国大陸に共通性をもつ。草原の国・中国大陸をふるさとにするチョウと考えてよい。そんななかで、日本特産が二種(ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ)と準日本特産が二種(ヤマキマダラヒカゲ、ヒメキマダラヒカゲ)存在する。これらのチョウは、日本を中心にした弧状列島のチョウなのである。そしておもしろいことに、この四種はすべてササ類のメダケ属かササ属を主食草にしており、林縁か林内草地に生息している。どちらかというと、林か森のチョウに属する。」と記されています。

海津市森下の神社の薄暗い境内のクヌギの幹から出る樹液に、このサトキマダラヒカゲが吸汁にきていたのですが、飛んで離れていく先も薄暗い木の幹などでした。

明るい場所で見かけるチョウたちとは習性が違っているようです。

似ているチョウといえば、ジャノメチョウか、クロコノマチョウをそうした場所で見かけます。

見かけたサトキマダラヒカゲが日本特有種だと知って、何か親しみを感じるようになってきたので。

不思議だなぁー。

(タテハチョウ科 キマダラヒカゲ属)

カモ撮りこうちゃん