ウスバキトンボを6月16日に木曽川の土手下で見かける

6月19日に木曽川土手下で見かけたウスバキトンボ

8~9月に見かけたウスバキトンボ

9月初旬に見かけたたくさんのウスバキトンボ

トンボの中でも南方から日本にやって来るといわれるトンボがウスバキトンボです。

日本では秋から冬にかけて、ヤゴが越冬できなくて死滅するといわれています。

その原因は冬の寒さで死滅するという意見もありますが、「トンボの不思議」(新井裕 どうぶつ社)には、成長速度が速いウスバキトンボのヤゴの餌がその時期に得られなくなることが原因ではないかと書かれていました。

毎年、春になって沖縄や先島諸島から北上してくると言われています。

日本国内に入ったウスバキトンボが、そこで産卵・孵化してヤゴになり、羽化して北上していくというのです。

その羽化するまでの期間が他のトンボに較べて短いので、新たに羽化したウスバキトンボが北上を繰り返しながら、10月には北海道に到達するといわれています。

私の住む西尾張の蟹江周辺では8月末になると、ウスバキトンボを多数見かけるようになります。

直接先島諸島からやってきた個体なのか、それとも日本に入り込んでから産卵・孵化・ヤゴになって羽化したものかは分かりません。

その時期までは見たことがありませんでした。

ところが6月の半ばに、木曽川東岸の土手と木曽川の間の叢を、水辺近くに生えているヤナギの木で見かけるコムラサキの写真を撮ろうと、炎天下の中歩いていきました。

すると、その叢の上をムギワラ色のトンボが行ったり来たりと飛翔しているのです。

咄嗟にウスバキトンボだと思いました。

このウスバキトンボと羽化して間もないショウジョウトンボは色合いが似ていてなかなか区別できないのです。

近づいてよく見ると、ショウジョウトンボの方は体型ががっちりしていて、翅の根元が少し茶色いのです。

それで区別できるのですが、飛んでいる時はほとんど区別できません。

ただウスバキトンボはとまることはなく常に飛翔し続けるのですが、ショウジョウトンボは割とすぐにとまるので、そんな習性の違いで区別しているのです。

6月の半ばにウスバキトンボを見かけたのは初めてでした。

これまで見かけていたウスバキトンボは8月末だったので、2ヶ月以上も早いのです。

もしかすると、この時期に先遣隊としてやってきたウスバキトンボが蟹江周辺で産卵して孵化しヤゴになり羽化したものが、8月下旬に大量に見られるのかも知れないなとも思うのです。

果たしてどうなんでしょうか。

(トンボ科 ウスバキトンボ属)

カモ撮りこうちゃん